高校の普通科改革でコーディネーター配置など支援 文科省

 高校の普通科改革の一環として、来年度から「学際領域学科」や「地域社会学科」の設置が可能となる中、文科省はこのほど、来年度予算案に「新時代に対応した高校改革推進事業」として約2億円を計上した。特色ある学びの実現に向け、地域や高等教育機関などと連携するためのコーディネーター配置などに充ててもらう方針で、来年度から2024年度の間に新学科の設置を予定している高校を対象に、近く公募を始める。

 「新時代に対応した高校改革推進事業」は、▽普通科改革支援事業▽高校コーディネーター全国プラットフォーム構築事業▽創造的教育方法実践プログラム事業――の3つが柱。このうち普通科改革支援事業は、従来の普通教育に特色・魅力を加えた「学際領域学科」や「地域社会学科」の設置を予定している高校に対し、1校当たり560万円を補助する。

 新学科の設置にあたっては、地元自治体や高等教育機関、NPO法人など関係機関との連携体制の整備が義務化されているほか、関係機関との連絡調整に当たるコーディネーターの配置も努力義務とされており、文科省としてこうした取り組みを後押しする。対象となるのは、来年度から24年度までの間に新学科の設置を予定している高校で、来年度は24校を選定する。

 また、高校コーディネーター全国プラットフォーム構築事業では、普通科改革に伴い高校に配置されたコーディネーターや学校に対する研修、さらに全国的にはまだ数が少ないコーディネーター人材の育成なども含めたプラットフォームを作るため、こうした事業を手掛ける民間団体に業務を委託して進める方針。
 さらに創造的教育方法実践プログラム事業では、オンライン教育や通信教育を活用して、Society5.0に対応する先端的な学びや、国際機関等との同時双方向型の授業を取り入れたカリキュラム開発など、新たな学びの創造に取り組む高校に1校当たり600万円を補助する。来年度は8校を選定して支援する。

 高校の普通科改革を巡っては、中教審の高校改革ワーキンググループで、生徒が多様な学びに接することができるように教科横断的な学びを進める重要性が示され、来年度から「学際領域学科」や「地域社会学科」を設置することが可能となった。この流れを受けて、今年4月には長崎県立松浦高校と島根県立隠岐島前高校、岐阜県立坂下高校の3校に「地域社会に関する学びに重点的に取り組む学科」が設置される。

 このうち全国に先駆けて手を挙げた長崎県立松浦高校では、普通科を「地域科学科」として、特色ある学びの実現を目指す。毎週1時間、「まつナビ」という授業を設け、生徒が地域の中から課題を見つけて解決策を探し出す活動を展開することにしている。こうした教科横断的な学習で、生徒の資質や能力を育てようとする動きは各地で注目されており、文科省はこうした改革を後押しするため、今後も支援を強化していく。

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