学校事務室を身近に 子どもに種を貸し出すプロジェクト


 図書室が本を貸し出すように、事務室で種を貸します――。そんなユニークな取り組みが、愛知教育大学附属岡崎小学校(加藤嘉一校長、児童565人)で始まっている。貸した種は児童が家庭で育て、収穫した種を返す仕組みで、発案した同校事務係専門職員の沓名(くつな)正樹さんは「自然に触れ合いながら、環境や食物のことなどに興味を持ってもらえれば」と期待を寄せる。

愛知教育大学附属岡崎小学校の事務室で貸し出している野菜や花の種(同校提供)

 「種プロジェクト」と呼ばれているこの取り組みは、昨年7月に同校に異動してきた沓名さんが、以前勤務していた愛知教育大学図書館で同様の取り組みをしていたことから提案。事務所に袋詰めされた植物の種を置き、希望する児童に渡している。

 トマトやピーマン、カボチャなどの野菜や、ヒマワリ、コスモスなどの花の種を計10種類以上用意。いずれも何世代にもわたって種の自己採取が可能な「固定種」を取り寄せ、種を手渡すときには、図書館にある植物の書籍なども合わせて紹介するようにした。種を返すと参加証としてクリアフォルダーがもらえることになっており、事務室発の企画ということもあって、教員からも好評だという。

種を借りに事務室を訪れる児童ら(同)

 昨年11月から始まった「種プロジェクト」では、すでに200人以上の児童が種を借りているという。「植物を種から育てたことのない子どももたくさんいるので、自然に触れ合いながら、環境や食物のことに興味を持ってもらえれば」と沓名さん。子どもたちになじみのある野菜や花をと、えりすぐった種の中で、一番人気があるのは、なぜかオクラだそうだ。

 沓名さんは「子どもたちに学校事務職員の存在をもっと身近に感じてほしくて始めた企画。種をきっかけに事務室に顔を見せてくれる子どもも増えた。そこまで予算や手間もかからないので、他の学校にも広がると面白いのでは」と話す。

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