共通テスト受験できない場合 個別入試で合否判定要請へ

 オミクロン株の急速な拡大を受け、文科省は1月11日、新型コロナウイルスへの感染などで大学入学共通テストの本試験、追試験のいずれも受験することができなかった場合は、各大学の個別入試のみで合否判定するよう、各大学に要請する方針を明らかにした。近く各大学に通知する。中高の入試についても、追試験の実施や書類のみによる選考を検討するなどの柔軟な対応を改めて求める。末松信介文科相は同日の閣議後会見で「1人の受験生も受験機会を失うことがないようにする」と強調した。

 共通テストは本試験が今月15・16日、追試験が2週間後の今月29・30日に行われる。ただ直近で、新型コロナウイルスのオミクロン株が急拡大していることから、いずれの日程も受験できないケースを想定した。自宅待機を要請されているなどの理由で医師の診断書の提出が困難な場合には、無理に提出を求めない。

 個別入試については現状、ほぼ全ての大学が追試験や振り替え受験の機会を設定しているが、それでも受験機会を得られなかった受験生のために、調査書や志望理由書、面接等による総合型選抜などによる再追試の機会を設定するよう求める。その場合、入学時期が今年4月以降になることも可とする。

閣議後会見で、受験機会の確保を強調した末松文科相

 11日の閣議後会見では、記者から「共通テストで課せられる科目が苦手などの理由で、わざと共通テストを受験せず、個別入試だけを受験しようという人が出てくる恐れはないか」との質問が挙がった。

 これに対し末松文科相は「受験生には正しい方法で堂々と受験をしてほしい」と理解を求めた。また、文科省の担当者は「診断書の提出が難しい場合でも、状況の確認をすることがあるなど(不正の)抑止力となる対応は検討する。ただ、基本的には受験生を信用して(仕組みを)作っている」と説明した。

 今回と同様にコロナ禍に見舞われた昨年度の共通テストでは、本試験の2つの日程に加え、特例追試験の機会が設けられたが、約48万人の受験者の大半が第1日程で受験し、特例追試験を受験した人は1人にとどまった。また国立大学の個別試験で追試験を受験した人は73人だった。

文科省が示した受験機会確保のスケジュール

 文科省の担当者は「昨年度は少なかったが、オミクロン株は感染力が強いので、何人が今回の措置を活用するかはまだ分からない。安心して受験してもらうための、セーフティーネットという位置付けだ」と話している。

 今年度の受験機会の確保を巡り、文科省は昨年12月28日、オミクロン株の濃厚接触者について、PCR検査の結果が陰性で当日も無症状であることなどを条件に、別室での受験を可能とする通知を発出した。また今月7日には、濃厚接触者は「公共交通機関を利用しないこと」としていた方針を改め、一定の条件を満たした上で、タクシーやハイヤー、海上タクシーの利用を可能とすることを認めた。

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