臨時休校時、オンラインでの学習継続求める 文科省が対処方針

 新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」による感染が急拡大する中、末松信介文科相は1月11日の閣議後会見で、学校での学びの保障と入学試験の受験機会の確保について、当面の対処方針を明らかにした。初等中等教育分野では、対面とオンラインの組み合わせにより、「学びの継続を図ることが大変重要」と強調。学校で感染者が出た場合には、昨年8月に示したガイドラインに沿って臨時休校の実施を判断すると同時に、臨時休校に踏み切る際には、オンラインを活用して学習を継続できる体制作りを求めた。そうした取り組みを促すため、非常時に対応した端末の持ち帰り学習の準備状況について、1月中に全国の公立小中学校を対象に一斉調査を行い、その結果を2月初めに都道府県別に公表する。

 オミクロン株の感染急拡大については、岸田文雄首相が同日、首相官邸で、外国人の新規入国の原則停止などの水際対策を2月末まで維持することや、3回目のワクチン接種の前倒し、大規模接種会場の再設置、12歳未満へのワクチン接種の早期開始を目指すことなどを盛り込んだ方針を表明。学校教育については、臨時休校時にオンライン授業を行う準備を進めるほか、再追試などによって受験の機会を確保する考えを示した。

オミクロン株への対応を説明する末松文科相

 これに続いて、末松文科相は文科省で閣議後会見を開き、初等中等教育分野の当面の対処方針を説明。まず、感染力が強いとされるオミクロン株への対策としても、三密の回避や会話時のマスク着用、手洗い、冬季の換気など基本的な感染予防策の徹底を求めた上で、「感染状況に応じて、時差登校や分散登校も行いながら、対面とオンラインの組み合わせにより、学びの継続を図ることが大変重要」と強調した。

 臨時休校については、対処方針の中で「学校の臨時休校は学校設置者による判断が基本。国から全国一斉の臨時休校を要請することはしない。地域一斉の臨時休校は、特に小中学校については避けるべき」と、従来の方針を改めて明示。各自治体などの学校設置者が学校単位で臨時休校を判断する基準として、昨年8月27日に出したガイドラインを改めて周知する考えを示した。

 ガイドラインでは、学校で感染者が出た場合には▽濃厚接触者の特定や検査結果の判明までに、数日から1週間の臨時休校▽複数の感染者が学級内で判明した場合には、5~7日間程度の学級閉鎖▽複数学級が閉鎖した場合には、5~7日間程度の学年閉鎖▽複数学年が閉鎖した場合には、5~7日間程度の学校全体の臨時休校――との判断基準を示している。

 その上で、今回の対処方針では、学校で感染者が見つかり、臨時休校によって児童生徒が登校できない状態になった場合、「切れ目なく学習が継続できるよう、オンライン学習の体制整備・準備を確実に進める」と踏み込んだ。具体的には、GIGAスクール構想で全国の小中学生に配備されたICT端末について、家庭への持ち帰り学習が全ての公立小中学校で行える体制を整備する。臨時休校の際に、オンラインによる学びの保障の準備を全ての公立小中学校に求めるのは、2年近く続いているコロナ禍での学校の対応で今回が初めてとみられる。

 非常時の端末持ち帰り学習は、昨年7月末に全国の公立小中学校を対象に行った調査で、準備済みが66.5%、準備中が30.9%、実施・準備をしていない学校が2.6%だった。全ての学校で端末持ち帰り学習ができる体制を整えるために、文科省では、今年度補正予算を活用して家庭の通信環境への支援を行うとともに、オンラインを活用した学習指導のチェックリストや事例集の周知徹底を図る。取り組みに課題のある教育委員会には文科省のGIGA StuDXチームによるプッシュ型の支援なども想定している。

 さらに、今回の対処方針では、非常時に対応した端末の持ち帰り学習を全国の小中学校に徹底するため、1月中に取り組み状況の一斉調査を行うことを明記。その結果について、2月初めに都道府県別に公表する。

 末松文科相は「(臨時休校を実施する学校で)切れ目なく学びが継続されるよう、GIGAスクール構想で整備されたICT端末を最大限活用して、オンラインによる学習体制の整備と準備を進めていきたい」と述べた。

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