セサミストリートが目指す ブロックチェーン的な教育像

 教育格差の是正を目的に米国で始まった子ども向けテレビ番組「セサミストリート」は、今、日本を含む世界各国で、その地域の課題に対応した教育コンテンツとして進化を続けている。そんなセサミストリートが展開する教育イノベーションについて、セサミストリートなどの教育番組を制作するNPO団体セサミワークショップ日本代表の長岡学さんが超教育協会主催のオンラインシンポジウムで講演した。長岡さんは、仮想通貨で用いられるブロックチェーンの技術のように、教育も分散化しながらそれぞれのシステムや場をつなげることで、多様性や公平性を大切にしたインクルーシブな教育が実現すると提案した。

セサミストリートが目指す教育システムについて語る長岡さん(左、Zoomで取材)

 人種差別や貧困問題を抱えていた米国で、1969年に放送を開始したセサミストリートは近年、ジュリアという自閉症の特徴があるキャラクターが登場するなど、世界各国でその地域に応じたコンテンツが提供されている。日本でも、自治体と連携して、子どもの成長における知的、情緒的な発達や社会性を全体的に支援する「セサミストリートカリキュラム」を取り入れる学校が出始めている。

 セサミストリートのこうした50年を超える取り組みを「世界で一番長い道」と表現した長岡さんは、セサミストリートが考えているこれからの教育モデルについて「ブロックチェーンのコンセプトは、おのおのが認識し合って新しい価値が生まれることにある。金融システムが分散化されてつながっている。教育システムでも分散化ができるのではないか。周りをつなげて、おのおのの価値観を認識し、多様性や公平性、インクルーシブな社会を実現していく。多様な価値を認識してお互いを受け入れる仕組みだ」と、ブロックチェーンを例に説明。各国の教員がお互いの教育技術をシェアしながら高め合う教員研修プログラムなどの新たな試みを紹介した。

 また、後半の質疑応答では、日本での展開について、GIGAスクール構想の実現を視野に「デジタルは鍵だと思っている。セサミストリートのアナログな活動をデジタルでどう広げていくか。自治体でデバイスやテクノロジーが違うなどの制限があるのは難しいが、データやエビデンスに基づいて子どもたちに適切なコンテンツをつくるため、政府、自治体とデザインの部分からタッグを組んでやっていきたい」と意欲を示した。

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