「校則は自己表現を阻害」高校生が末松文科相に意見書

 高校での合理性のない校則や性自認を無視した制服制度により、生徒が学校生活で息苦しさを感じているとして1月7日、高校生の団体が文科省を訪れ、末松信介文科相に宛てた意見書を提出した。同日、文科省で記者会見を行ったメンバーは「要望を通して、一人一人がレッテルを貼られずに、自分らしく生きられる社会、その人らしく個性を出せる社会になれば」と語った。

文科省で記者会見する奈良岡さん(左)、澤田さん(中央)、日下部さん

 意見書を提出したのは、(一社)Voice Up Japan高校生支部のメンバー。意見書では、①校則について生徒同士、もしくは生徒と教師で活発に意見を交換できる場の設置②生徒を主体とした校則改正プロセスを明文化することの義務化③生徒の性自認や自己表現を尊重するため、制服の選択肢を持てる制度の義務化――の3点を要望した。

 同団体は2021年6月、SNSなどで校則に関する意見を募った。10代を中心に311人から寄せられた回答では、頭髪の制限や衣服の制限、化粧の禁止といった校則を「廃止すべき」とする声は多く、「自己表現を阻害するもの」と認識していた。また制服制度については、生徒の性自認や表現したい個性への配慮がないなどの不満が寄せられた。

 またメンバー自身も、前髪の長さの指定によりコンプレックスを克服できずつらい思いをしたり、下着の色の指定を「過干渉だ」と感じたりした経験を語った。同団体の日下部美雪さん(東京都・高校1年)は「ブランケットを肩にかけたり腰に巻いたりすることは禁じられている。理由を尋ねても合理的な答えはなく、『ルールとしてある』というだけ。生徒はその不合理さに疑問を感じている」と話した。

 意見書を受け取った文科省の担当者からは「教育現場への強制や義務を課すことは難しいことがあるというのが前提。これまでも時代に合った校則を通達していたが、これからより力を入れていく。『しきたり』の言葉のみで校則の存在理由を片付けないよう、気を付けていく」といった説明があったという。

 面会を終えた共同代表の奈良岡千夏さん(北海道札幌市・高校3年)は「文科省の方針や教育行政の構造もあり、私たちの強い気持ちが100%伝わったとは言い切れない。現実に行動を起こすことは難しく、壁があると感じた」という。一方、共同代表の澤田初音さん(長野県北佐久郡・高校1年)は「理由のない校則があることには反感を示してくれた。伝わったものがあったのではないか」とも述べた。

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