コロナ禍の若者 3割が「関係構築」「対人スキル」を不安視

 コロナ禍の生活が若者の将来への不安に与える影響を日本赤十字社が調査したところ、約半数の若者が無気力状態になったことが、このほど明らかになった。将来の社会生活に対する不安では、約3割が「新しい人間関係を築くのが困難」「コミュニケーションスキルが身に付かない」と感じており、自粛生活や休校、リモート中心の学生生活により、通常であれば身に付けられたであろう社会性や対人スキルが得にくい環境であったことが伺える結果となった。また、近い将来の進学や就職への不安に関しても、高校生は約4割が「受験や就職活動で苦労するのでは」、大学生では約3割が「進学先や就職先で評価されないのでは」と感じていることが分かった。

 同調査は昨年12月10~12日に、全国の高校生・大学生(大学院生)・保護者・教員の男女計600人を対象にインターネットで行われた。2020年4月に発令された緊急事態宣言から、第5波が収束し宣言解除となった21年9月までの期間においての、若者の行動や意識の変化について調査した。

 コロナ禍で生じた若者の気持ちの変化で多かったのは、「何もしたくなくなる、無気力」(高校生43.0%、大学生49.0%)、「孤独を感じ1人でいるのが不安」(高校生28.0%、大学生35.0%)だった。また「自分に価値を感じない、他者から必要とされない」(高校生27.0%、大学生20.0%)、「生きていることに意味を感じない、死を考える」(高校生18.0%、大学生11.0%)と、精神的に追い込まれた若者も少なくないことが分かった。

約半数が「何もしたくなくなる、無気力」になったと回答(日本赤十字社提供)

 若者が抱く将来の社会生活に対する不安においては、「新しい人間関係を築くのが困難」(高校生30.0%、大学生33.0%)が最も多く、次いで「対人コミュニケーションスキルが身に付かない」(高校生30.0%、大学生27.0%)となり、集団生活で得られる経験に関連する不安の声が上位となっている。

 また、近い将来の進学や就職に関しては、高校生は42%が「受験や就職活動で苦労するのではないか」、大学生は31%が「進学先や就職先で評価されないのではないか」と不安を感じていることが分かった。

対人スキルに不安を抱く生徒・学生が多い(日本赤十字社提供)

 こうした不安への対処としては、「『何とかなる』とできるだけ楽観的に考えるようにした」(高校生24.6%、大学生30.9%)、「『これも貴重な体験の1つだ』と学びの機会として考えるようにした」(高校生10.5%、大学生22.1%)と、年齢が高まるにつれ、少しでも前向きに捉えようとする傾向が見られた。一方で、「保護者と話し合った」のは高校生15.8%、大学生23.5%、「学校の先生と話し合った」のは高校生15.8%、大学生11.8%に留まった。

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