教員免許更新制は7月に廃止へ 文科省が法改正で方針

 文科省は来週開会する通常国会に提出する「教育職員免許法の一部改正案」で、教員免許更新制が廃止される施行日を今年7月1日と盛り込む方針を決め、1月14日、自民党文科部会で説明した。これによって7月1日以降に免許の期限を迎える教員は免許状更新講習を受講する必要がなくなり、実質的に来年度から免許状更新講習が不要となる見通しとなった。

教員免許更新制を巡って意見が交わされた自民党文科部会

 同省の担当者は同部会で、通常国会に提出する「教育職員免許法の一部改正案」の内容について、普通免許状や特別免許状の有効期間については定めのないものとし、更新制に関する規定を削除するとの内容を示した。施行日については7月1日と盛り込む方針を示し、法改正の審議が順調に進んで6月までに成立すれば、教員免許更新制は同日で廃止されることになる。

 同省によると、教員免許の有効期限はほとんどの教員が年度末となっていて、夏休み期間中に受講するケースが多く、来年度に有効期限が切れる教員のほとんどは更新講習を受けなくてよくなる見通し。ただし、今年度末に有効期限が切れる教員や、産休・育休や海外在住などで施行日以前に有効期限が切れる教員は、更新講習を受ける必要がある。

 また、同省は合わせて通常国会に提出する「教育公務員特例法の一部改正案」についても説明。これは新たな研修制度の整備に向けて、公立学校教員の任命権者である教育委員会に対し、研修受講履歴の記録管理や受講の奨励を求めるもので、「任命権者は校長及び教員ごとに研修等に関する記録を作成しなければならない」といった文言を盛り込む方針が示された。施行期日は2023年4月1日とする方針。

 文科省の説明に対し、委員からは「免許更新制を廃止して研修を充実するのは論理的に整合性が取れないのではないか」といった指摘や、「公立に比べて私学の研修制度は不十分で補助も少ない。私学の研修制度の充実に向けたサポートも考えてほしい」という要望が出された。

 これに対し、同省の藤原章夫総合教育政策局長は「教員免許更新制による現場の教師の負担は相当重く、10年に1回の免許更新が今の時代の速度に合わなくなってきている面もあった。コロナ禍で充実してきたオンライン研修などで、即時性があり時代に合った教員の質向上ができると考えている」などと理解を求めた。また、私学へのサポートについては、「教職員支援機構でオンデマンドの研修プログラムを私学にも提供するなど、サポートを心掛けていきたい」と説明した。

 教員免許更新制は、免許に10年の有効期限を設け、更新に当たって30時間以上の講習を受けることを義務付ける制度。毎年約10万人の教員が更新講習を受けている。講習費用として約3万円が自己負担となるほか、「受けたい講習が受講できない」などの不満が教員から出ていた。

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