高校の端末活用をどう進めるか 近畿大学附属高が実践報告

 高校の1人1台端末活用についてのオンラインイベントが1月14日に開催され、大阪府東大阪市の近畿大学附属高校の乾武司教諭が登壇し、端末を活用した具体的な授業デザインや評価の在り方などについて報告した。同イベントは大塚商会が主催した。

具体的な授業実践などについて説明する乾教諭

 同校は2013年度の新入生から、iPadの導入を開始。現在は生徒約3000人と教職員約200人(中学校も含む)が、iPadを活用しながら学校生活を送っている。

 ICT教育推進室長として端末導入当初から同校の端末活用をけん引してきた乾教諭は、「生徒にとってiPadは世界に開かれた、自分と常にある情報端末であってほしい」と狙いを話し、できるだけ生徒が自由に端末を活用できる環境を整えていると説明した。

 例えば、教室や実験室、体育館、グラウンドなど、校内どこからでも端末にアクセスできる通信環境を整備。さらにダウンロードできるアプリに制限はなく、ゲームやSNSアプリもダウンロードできる。これについては校内でも意見が分かれたが、「当時の校長が『生徒は未来からの留学生。ICT機器が当たり前の世界で生きていく力を育まなければならない』と後押ししてくれた。校内でSNSを使うからこそ、指導しやすいと感じることもあった」と振り返った。

 また端末導入後の授業の変化については、「生徒が手にする情報量が爆発的に増え、生徒が自ら学ぶことができるようになった。生徒が端末を活用して自らまとめたものを、教材として使いながら進める授業も実現できている」と報告した。

 例えば、2年生の化学基礎「共有結合」の単元。これまでは解説動画を教師が作り、生徒に説明していた。しかし現在は生徒自らが取り組み、iPadのコマ撮りアプリを活用しながら、グループに分かれて挑戦しているという。

 これ以外にも従来は教師が板書して生徒に伝えていた情報を、端末を活用しながら生徒自身に調べさせてまとめたり、時には動画にして生徒同士が共有したりする。それらの作品をテキストとしてまとめ、教材として活用するなど、授業のスタイルが様変わりしたという。

 授業スタイルの変容に伴い、評価の仕組みも見直している。同校ではこれまで各教科「定期テスト評価90点、学習過程評価10点」で評価していたが、その割合を「定期テスト評価50点、学習過程評価50点」に変えることにした。割合を引き上げた学習過程評価については、各教科で身に付けたもののアウトプットなどを加味することを想定しており、具体的な内容について現在は議論中だという。

 乾教諭は「学びを個人的なものにせず、皆で共有する。生徒たちが、仲間のために貢献する学習体験ができる授業をデザインしていきたい」と締めくくった。

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