【共通テスト】数学、理科など難化 事件や津波で緊急対応も

 1月15日と16日に実施された2022年度大学入学共通テストについて、大手予備校が同16日、予想平均点を公表した。ベネッセコーポレーション・駿台予備学校、河合塾とも昨年度より大幅な難化を予想。数学、理科、国語などを中心に10点以上、平均点が下落するとみている。今回の共通テストでは15日の朝、東京大学の本郷地区試験場前で刺傷事件が発生し、受験生を含む3人が負傷。大学入試センターは急きょ、警備の強化を要請した。16日にはトンガ諸島の火山噴火による潮位変化で津波警報が出され、岩手県立大学宮古短期大学部試験場での試験が中止となるなど、異例の対応が行われた。

国語「共通テストらしさ、より強まった」
【図表】データネット実行委員会(ベネッセコーポレーション・駿台予備学校)、河合塾が公表した予想平均点

 データネット実行委員会(ベネッセコーポレーション、駿河台学園駿台予備学校)が公表した予想平均点では、理科の「生物」で昨年度より25点、数学の「数学I・数学A」で同15点、「国語」と地理歴史の「日本史B」でそれぞれ同11点低くなると予想した。また河合塾大学入試情報サイトKei-Netでも、「生物」で同26点、「数学I・数学A」で同20点、「数学II・数学B」で同18点、「国語」と公民の「倫理」で同11点低くなる予想を公表した=図表

 予想平均点が低い「生物」について、同実行委は「知識を活用して正解に至る必要のある設問が多く、図や問題文で与えられた複数の情報を解釈する必要のある問題も多い」と分析。またグラフ表示ソフトを素材とした問題などが出題された「数学I・数学A」では、「導入部分から取り組みにくい問題が多い」とした。

 「国語」では「食べる」ことについての論理的文章2つを組み合わせた出題があり、「センター試験踏襲色の濃かった昨年に比べ、共通テストらしさのより強まった出題」(同実行委)だった。古文でも、歴史物語と日記の表現の違いに注目させる設問があり、「昨年以上に、複数の文章や資料を関連付ける力が求められ、やや難化」(同)した。

 大学入試センターは今月19日に初回の中間集計、21日に2回目の中間集計および、科目間の得点が大きく開いた場合の得点調整の有無を公表する予定。

刺傷事件を受け、警備強化を要請
受験生2人が刺される事件があった東京大学本郷地区試験場(1月15日夕方撮影)

 初日となった15日朝には、東京大学の本郷地区キャンパス前で、受験生2人と一般男性1人が切りつけられる事件が発生。これを受けて大学入試センターは15日午後、試験場となっている全国の大学に、試験場の警備体制強化を要請した。

 末松信介文科相は同日、緊急会見を開き、文科省から警察庁に対し、試験場周辺の安全対策と連携強化への協力を要請したことを明らかにした。一方、試験場での手荷物検査の実施について問われると「多くの受験生にとってはかなりの心理的な負担。また受験者の多い試験場では、相当の時間を取られる。感染対策上の問題もあり、実施は極めて難しい」と限界もにじませた。

事件を受けて臨時会見を行う末松文科相(1月15日撮影)

 被害に遭った受験生に対して末松文科相は「容態をまず見守りつつ、本人の意向も踏まえながら、今後の対応について検討していく」と述べた。事件の影響で精神的動揺を受け、試験の全部または一部を受験できなかった受験生については、大学入試センターが17日、受験できなかった教科・科目を追試験の対象とすることを発表した。

 また16日未明から午前にかけて、トンガ諸島の火山噴火に伴う潮位変化を受け、岩手県などに津波警報が発表された。岩手県立大学宮古短期大学部試験場では2日目の試験を中止し、今月30日に再試験を実施することとした。また大学入試センターによれば、東北学院大学(仙台市青葉区)と城西国際大学(千葉県東金市)、明海大学(千葉県浦安市)の試験場で、津波による交通機関の遅延を受け、試験時間の繰り下げがあった。

 試験中の不正行為は2日間で▽スマートフォンの使用▽「解答はじめ」の指示より前のICプレーヤーの作動および解答の開始▽他の受験者の答案ののぞき込み――の3件があった。

あなたへのお薦め

 
特集