深海の魅力を教室からライブ映像で学ぶ GIGA特別講座を実施

 GIGAスクール構想による1人1台端末を活用して、深海の生物や環境について学ぶ特別講座が1月18日、行われ、全国の児童生徒らが教室などから参加した。文科省が海洋研究開発機構(JAMSTEC)と連携して実施したもので、相模湾沖の無人探査機から送られてくるライブ映像などを使って、同機構の研究員らが深海にすむ生物の特徴などを解説。児童生徒らは日頃触れる機会の少ない深海の魅力などについて学んだ。

深海のライブ映像などを活用して行われたGIGAスクール特別講座(YouTubeより)

 特別講座の名称は「GIGAスクール特別講座 ~教室から深海探査につながろう!~」。1人1台端末や高速大容量通信環境を積極的に活用してもらおうと、YouTubeのライブ配信動画を使って企画された。主会場となった神奈川県横須賀市の同機構横須賀本部には、横浜市立大道小学校5年の児童が訪れ、野牧秀隆主任研究員が相模湾沖で活動する東北海洋生態系調査研究船「新青丸」の船上にいるスタッフらと中継映像を通して会話しながら、深海の魅力について解説した。

 講座の中では、「新青丸」のスタッフが操作する深海無人探査機「ハイパードルフィン」が捉えた水深約850メートルの深海底のライブ映像が流され、植物プランクトンの分泌物などで形成されるマリンスノーが舞う様子や、深海底に生息するシロウリガイがモニター画面いっぱいに映し出された。野牧主任研究員はこうしたマリンスノーが深海生物の貴重な餌になることや、世界の海の90%以上は水深200メートル以上の深海であることなどを紹介し、「海を正確に知ろうとするなら深海を知らないといけません」と児童らに説明した。

 また、中継で結んだ「新青丸」のスタッフからは、深海に進むと圧力が高まるため「ゴムボール」「トマト」「卵」のうちつぶれるものがあるが、どれだと思うかと全国で視聴する児童生徒にクイズが出された。答えはゴムボールで、実際に深海でつぶれたゴムボールを示しながら、中身が空気ならつぶれるが液体はつぶれないと説明されると、会場の児童らも興味深そうに見つめていた。

 最後に、最近は食品容器やレジ袋など、プラスチックごみによる海の汚染が深刻化していることと、同機構では海の微生物で分解される生分解性プラスチックの研究に取り組んでいることが紹介され、野牧研究員は「豊かな海を守るために何ができるか。研究者も頑張るし、皆さんも考えてほしい」と児童生徒に呼び掛けて特別講座を締めくくった。

 GIGAスクール特別講座の実施は今回で3回目。昨年7月に国際宇宙ステーション(ISS)と結び、滞在していた星出彰彦宇宙飛行士が講師となって第1回を実施し、9月には南極の昭和基地とつないで、オゾンホールの解説や屋外実験などを行った。文科省によると、ライブ配信には第1回に1万人、第2回に8000人の児童生徒らがそれぞれアクセスしたという。

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