通信制高校の探究学習や観点別評価に関する課題 有識者会議で指摘

 「令和の日本型学校教育」の実現に向けた通信制高校の在り方を検討する、文科省の調査研究協力者会議の第5回会合が1月19日、オンラインで開催された。広域通信制のクラーク記念国際高校と、通信制の課程を設置する高校から成る全国高等学校通信制教育研究会(全通研)が登壇し、取り組みや課題を共有した。特に通信制高校の探究学習の在り方や、観点別評価の難しさについての指摘があった。

実践を報告するクラーク記念国際高校

 クラーク記念国際高校は昨年12月末時点で生徒数3652人、全国9カ所のキャンパスを有する。今年度の新入生は925人で、このうち不登校経験率が56.2%に上るという。

 学習面や通学、人間関係など多岐に渡る不安を抱える生徒に合わせて同校では、毎日通学する「全日型」、オンライン学習と対面授業併行の「オンライン+通学型」、自宅学習をメインとする「在宅型」を設置。現状の内訳は全日型2654人、オンライン通学829人、在宅169人となっている。

 また同校では多様な背景や通学形態の生徒と信頼関係を構築するために、教職員は心理学の研修を受けているという。登壇した担当者は「感覚ではなく理論に基づき、カウンセリングマインドを持って生徒と向き合っている」と報告した。

 これまでの会議でも議論の焦点となってきた、通信制高校の探究学習の在り方についても説明。▽課題解決能力育成につながる「学習ステップ」に基づき学ぶ▽アイデア創出のための手法やツールが学べる▽多様性に富んだ仲間と学べる――などをポイントに挙げた。

 例えば東京キャンパスでは、1年生では「身近な社会課題を発見し解決法を考え、社会に発信する」、2年生では「最先端の手法で商品開発を体験し、起業家精神とスキルを学ぶ」、3年生では「自分自身の過去を振り返り自分史を執筆する」――などとプログラムを展開する。

 次いで登壇した全通研は、通信制教育の課題を指摘。▽初任者研修をはじめとする研修体制の不足(都道府県教委による研修がない)▽通信制教育の教員の理解不足(通信制高校を卒業した教員や指導主事がいない)▽各都道府県通信制課程の学校間の連携不足▽通信制生徒への不十分な支援体制(週1回の登校では専任の養護教諭を置けない)――などを挙げた。

 さらに観点別評価について、全国の学校現場から問い合わせや相談が相次いでいることも報告。担当者は「週1で通学する生徒に、どう観点別評価するべきなのか。通信制課程での評価の在り方は各都道府県教委でも議論されている様子がなく、現場は大変困惑している」と課題を指摘した。

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