教員志望の学生が開発 いじめを考えるゲームで研究授業

 教員志望の学生が開発したいじめについて考えるゲームを活用した研究授業が1月19日、千葉大学教育学部附属小学校(鈴木隆司校長、児童637人)で行われた。6年生の児童らは、ゲームを通じていじめの判断や第三者の行動の重要性について議論し、自分自身の日常生活について振り返った。

学生が制作したゲームからいじめについて考える児童ら(グリー提供)

 千葉大学教育学部では、グリーと共同で「メディアリテラシー教育演習」という授業を開設しており、今年度は昨年秋ごろから、いじめや誹謗(ひぼう)
中傷を扱った小学生用教材の作成をテーマに、学生らがゲームアプリの開発に取り組んだ。

 この日の研究授業では、学生が開発した2種類のゲームを小学生に体験してもらい、いじめについて考える授業を行った。

 1つ目のゲームは、いじめの被害者と思われる児童の母親からの依頼を受けて、探偵が関係者から事情を聴取するという内容。開発チームの代表の学生は「いじめかどうかをすぐに判断できない事例を入れることで、どの部分でいじめと感じるか、逆にいじめではないと思うか、人それぞれの感覚の違いを意識させて、悩んでもらうようにした」とコンセプトを話す。実際の授業でも、児童らは、ゲームに出てきた事例がいじめなのか、いじめではないのか、判断した根拠を示しながら、いじめの定義について確認していた。

 2つ目は、勇者がいじめと思われる場面に遭遇し、取るべき行動を選択するゲーム。「私たち自身、学校では、いじめは絶対に駄目だと教わってきた。確かにその通りだが、それをゲームにすると否定が強くなる印象になる。むしろ、より良い行動について考えていけばいいなと考えた。いじめを見ている第三者の視点を意識し、その第三者がどんな行動ができるのかを考えてもらえたら」と、こちらの開発チームの代表の学生は説明する。

 授業ではグループごとに異なる状況が提示され、いじめの被害者、加害者、第三者の立場に分かれて、それぞれの心情を想像したり、どの被害者も共通していることなどを話し合ったりした。

 授業に参加した児童は「いじめとまでは言えなくても、自分自身や相手が嫌な気持ちになっているかもしれないことは日常的にある。そういうことをあまり普段は意識していないのに気付いた。友達との会話をもう少し深く、『これっていじめかな』『相手は傷ついているかも』と考えることができた」

「いじめに定義があることはニュースで聞いていたが、こんなに細かなことまでいじめに入るなんて思いもしなかった。『もしかしたら、あれっていじめだったのかな』と、自分自身の普段の行動を振り返るきっかけになった」と感想を話した。

 「メディアリテラシー教育演習」を担当する藤川大祐教授は「今起こっている問題をゲームに取り入れて考えるという、学生には荷が重い課題だったと思うが、学生は議論にも初めてのプログラミングにもよく取り組んでくれた。教育学部の学生なので、もともといじめへの関心は高いが、いじめをゲーム的に考えて、さらに授業に落とし込むところまで経験できたことで、学生はいじめの問題を子どもたちにどう考えてもらいたいのか、真摯(しんし)
に向き合ってくれたと思う」と評価した。

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