特異才能への支援もリソース充実が不可欠 中教審部会

 中教審初等中等教育分科会の教育課程部会は1月24日、会合を開き、特異な才能のある児童生徒への指導・支援の在り方について、有識者会議がまとめた論点整理メモなどを巡り意見を交わした。有識者会議座長から「全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実の一環として、検討を進めている」と説明されたのに対し、委員からは「実行していく上で人的なリソースが不可欠になる」「保護者や地域の支援など学校を支える環境づくりが重要だ」などといった意見が上がった。

オンラインで開かれた中教審初中教育分科会教育課程部会

 「特定分野に特異な才能のある児童生徒に対する学校における指導・支援の在り方等に関する有識者会議」(座長・岩永雅也放送大学学長)は、昨年1月の中教審答申を受けて、才能のある児童生徒への支援について専門的な検討を進めるために設置された。アンケート調査などを基に昨年12月に論点整理メモがまとめられ、今年中に一定の結論を出す予定で議論を進めている。

 24日は、岩永座長がこれまでの論点整理について説明し、特異才能のある児童生徒本人などへのアンケート調査で「授業中に暇を持て余している」「分からないふりをしている」などと、学校生活で困難に直面しているとの声が寄せられたことを紹介。検討の方向性として「才能を特出しして議論するのは危険だと感じており、全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実の一環として、検討を進めている」などと説明した。

 これに対し各委員が意見を述べ、戸ヶ﨑勤委員(埼玉県戸田市教育長)は「特異才能の子供の才能を伸ばそうと意欲的に取り組む教師もいるが、一方で40人の子供に個別指導は限界があるとの葛藤も抱えてきたと思う。指導に当たる教師の人的なリソースの充実が不可欠であるとともに、官民連携で活用できるコンテンツ開発や専門知識を有する人の人材バンクづくり、学校外の多様な学びとの円滑な接続を進めるため、教育と社会の壁をなくす必要があると思う」と指摘した。

 また、松下佳代委員(京都大学高等教育研究開発推進センター教授)も「子供の多様性に対応した教育を行っていく一環と理解しているが、学校だけでは対応できないことが明らかだ。保護者や支援団体、科学技術やスポーツ関係など多くの市民との関わりの中でこういった子供たちが育つのであり、才能のある子供たちを育てる環境づくりが重要だと思う」と学校を支える体制づくりの必要性を強調した。

 吉田晋委員(日本私立中学高等学校連合会会長)は「義務教育に関しては国立大学付属が本来研究開発校だったはずであり、そういった機関でもう少し力を入れていいのではないか。公立学校で特例校を少しずつ作ることも方法と思う」と提案した。

 これに対して岩永座長は「これまでも優れた教師の下で才能を伸ばす子供もいたと思うが、特に優れた教師でなくても一定の考えやスキルを身に付けていれば才能のある子供を取り残さないことは可能であると考えており、そうした方向性で検討している。国立大学付属の機関で先鋭的に研究を進めることには、私たちも期待している」などと応えた。

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