今年度中の取りまとめに向け 学校施設の関連部会が報告

 文科省の「学校施設の在り方に関する調査研究協力者会議」はこのほど、第13回会合をオンラインで開き、同会議の下に設けられている「新しい時代の学校施設検討部会」と「特別支援教育の在り方を踏まえた学校施設部会」における議論について、経過報告を受けた。各部会では今年度中に報告書を取りまとめる見込みで、これまでの議論の方向性について調査研究協力者会議の委員から意見を聴取した。

 「新しい時代の学校施設検討部会」では昨年8月の中間報告公表後、学校施設の視察などを実施。今年度中にまとめる最終報告では、2020年代の教育を実現していく学校施設整備の具体的なビジョンを自治体関係者向けに発信する「学校施設スタンダード」や、新築・長寿命化における学校施設整備の優先度について、それぞれ方針を示すことが検討されている。

 これについて委員からは「2020年代やその先の2050年を目指すとなると、学校に現在は規定されていない部屋が必要になる可能性がある。未来のそうした事態を想定した文言がどこかに入るとよい」「こうした指針をたくさん出しても守られない新築が見受けられる。予算的なこともあり、自治体サイドも縮小した形で新築プランを立てて改修している例があるのではないか。このスタンダードを守らせるアイデアはあるのか」などの意見が出た。

 また、「特別支援教育の在り方を踏まえた学校施設部会」からの報告では、特別支援学校や小中学校の普通学級、特別支援学級、通級指導に関する特別支援教育の環境整備について、一体的に今後の方向性を記載した報告書骨子案を事務局が説明。特に、点字ディスプレー、大型モニター、遮光カーテンなどの整備や、マイクなどの音声を補聴器に転送するシステム、音声を字幕変換するシステム、視線入力装置、家庭・病院と高速ネットワークで接続する遠隔教育システムの導入など、特別支援学校のICT環境整備に関する記載が充実したほか、医療的ケアへの対応なども新たに盛り込まれた。

 委員からは「小中学校の特別支援学級では、普通教室をパーテーションで区切るなど、特別支援学校のように行き届いていないこともある。小中学校の特別支援学級などであっても、特別支援学校に準じた整備が求められていることについて記述するのを検討してほしい」「同じ敷地に小学校と特別支援学校がある事例では、交流や共同学習がごく自然にスムーズに行われている。県立の特別支援学校と市町村立の小中学校がうまく連携して、こうした取り組みを推進していけるような報告にしていきたい」「特別支援学校のICT環境について、そこに通っていた児童生徒が卒業後も使えるようなシステムを取り入れていくのはどうか。その方が、卒業生が社会に出た後も戸惑わないのではないか」などの指摘が上がった。

 両部会では、引き続き報告書の検討を重ね、今年度中に行われる調査研究協力者会議の次回会合で、共に報告書を取りまとめる予定。

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