高校生編集の仕事図鑑など キャリア教育の実践を表彰

 文科省、厚労省、経産省の共催による、2021年度「キャリア教育推進連携シンポジウム」が1月25日、オンラインで開かれ、先進的なキャリア教育に取り組む学校や企業などが表彰された。学校へのキャリア教育に力を入れる企業を表彰する第11回キャリア教育アワードには、学校で集めた子ども服を難民の子どもたちに贈る、ファーストリテイリングの「届けよう、服のチカラ」プロジェクトが選ばれた。また、学校と地域が協働した取り組みを対象とする第10回キャリア教育推進連携表彰では、地域の大人に高校生が取材して編集された「島の仕事図鑑」などの取り組みで知られる、広島県立大崎海星高等学校魅力化プロジェクトが最優秀賞に輝いた。

講評を行った審査委員長の東工大の益学長(YouTubeで取材)

 ユニクロなどのアパレルブランドを国際的に展開するファーストリテイリングでは、06年から国連難民高等弁務官事務所と協働で、店舗で回収した服を難民に寄贈する活動を行っている。特に子ども服が慢性的に不足している状況を受けて、13年から日本国内の小、中、高校などと連携し、児童生徒が子ども服を集め、難民の子どもたちに届けるプロジェクトに乗り出した。参加する学校の最寄りにある店舗の社員が出張授業を行い、服が持つ力や難民問題について解説。子どもたちの主体的な行動を促す活動につなげている。

 一時は統廃合の危機に瀕し、他県から生徒を受け入れたり、地域と連携したPBLを展開したりしていることで知られる大崎海星高校では、同高がある大崎上島町で働く人々に生徒らがインタビューし、「島の仕事図鑑」という冊子を編集。やがて、県内外の他の学校や地域とも協働して、さまざまな仕事図鑑が生み出されることとなった。

 同高で魅力化を担当する教務主任の兼田侑也教諭は「こういった取り組みを推進していく中で、『総合的な探究の時間』に地域の方々に協力してもらうことが増えたり、授業以外でも地域の方々からいろいろな依頼を受けて、生徒が参加したりするようになった。生徒自身から地域でさまざまな活動をしたいという声も出てきている。生徒がやりたいと言い出したときに、われわれ教員だけでなく、地域のいろいろな大人が全力で応援してくれるからこそ、こうしたことが実現できる」と、地域と連携した効果を強調した。

 審査委員長を務めた益一哉・東京工業大学学長は「採用の面では、メンバーシップ型からジョブ型に移行している。ジョブ型では雇用者側でキャリアアップの道筋を見せることや学びの継続が大事になる。こうした学び続ける意思を、大人になってからではなく小中学校段階から教える必要がある。学び続けることへのインセンティブとして、キャリアアップした人材の採用や学び続けることを許容する社会をつくることが重要だ」と、今後の人材育成を巡る課題を指摘した。

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