GIGAスクール時代の学校図書館 電子書籍活用の授業実践

 GIGAスクール構想によって、学校図書館の役割も問い直されようとしている。1月21日、東京都文京区の竹早地区にある東京学芸大学附属幼稚園、同学附属竹早小学校、同学附属竹早中学校の合同による、教育関係者向けの研究発表会がオンラインで開かれた。小学校の実践では、「未来の学校図書館」をテーマに、電子書籍のプラットフォームを活用した授業実践が報告され、1人1台環境における学校図書館の新たな役割について、参加者らが意見交換を行った。

読書機能を使って感想を共有する授業(Zoomで取材)

 竹早地区にある同学附属の学校園では現在、複数の企業や自治体と連携して、10年後の学校モデルを構想する「未来の学校みんなで創ろう。プロジェクト」に取り組んでいる。この日の研究発表会では、プロジェクトに参加する企業の関係者や教育関係者が参加し、現在進行している各チームの試みについての成果と課題を発表した。

 その一つで「TEAM未来の学校図書館からこどもたちに学びを。」では、ポプラ社が開発したデジタルプラットフォーム「Yomokka!(ヨモッカ)」を活用した附属竹早小での国語の授業実践が2つ紹介された。

 2年生の曽根朋之教諭は、教科書にあった説明文の教材を入口に、写真の効果的な使い方に気付いてもらおうと、生き物の生態を学べる「写真絵本」のデジタル版を児童が読み比べる活動を行った。

 曽根教諭は「絵本を全員に購入してもらったり、授業で使うページをコピーしたりするのは難しいが、電子書籍なら冊数の制限がないので、同時に何人でも読める」と電子書籍の利点を挙げた上で、「例えばナメクジの写真絵本では、気持ち悪いという最初の印象が、写真の見方や使い方、文章を読むことで作り手の思いが伝わり、変わってくる」と、読書によって子どもたちの受け止め方が変化していくプロセスを説明した。

 また、3年生を担当している高須みどり教諭は、児童が読んだ本について感想などを記述する「読書ノート」の指導に課題を感じていたと話し、ヨモッカにある感想機能を活用することを提案。児童が読んだ本の感想を投稿し、それらを端末上で読み合う活動を取り入れることで、相手意識やまだその本を読んだことがない人に興味を持ってもらえるような文章表現を意識するようになったという。

 高須教諭は「子どもたちはヨモッカを新しい道具という感覚で使っているので、感想機能も自然と受け入れていて、動機付けに向いている。子どもたちが書いた感想を教師側でまとめてダウンロードできるのもありがたい」と話した。

 2つの実践について指導講評を行った同学の中村和弘教授は、こうした電子書籍のプラットフォームがGIGAスクール端末に導入される動きについて、「子どもの手元にミニ学校図書館やミニ学級文庫があり、好きな時間にさまざまな読書にアクセスできる環境になっている。手元にそれだけ充実した図書資料があると、物理的に存在している学校図書館はどうなっていくのか。学校図書館には学校図書館の機能があるので、タブレットを前提にした学校図書館のリニューアルを考えないといけない」と指摘した。

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