濃厚接触者は学校で判断を 学び確保へ大阪府教委が通知

 新型コロナウイルスのオミクロン株の感染が急拡大する中、大阪府教委は1月26日、府立学校で感染者が確認された際、学校が主体的に濃厚接触者を特定する作業を行うよう求める通知を出した。これまでは保健所が濃厚接触者を判断し、それまでの間を休校としていたが、保健所の業務が多忙化する中、学校が迅速に対応することで休校を減らして子供たちの学びを保障することとした。これに対して学校現場からは「学校で判断できることで楽になった面はあるが、精神的な負担は重い」などと当惑する声も上っている。

 大阪府では現在、オミクロン株の感染が急拡大して「まん延防止等重点措置」が適用されており、27日時点で、府立学校179校のうち21校が休校している。

 大阪府教委によると、これまでは府立学校の児童生徒や教職員に感染者が確認された場合、学校が感染者と他の生徒の接触状況などを保健所に報告し、保健所が濃厚接触者を特定するまでは休校としていた。しかし、感染の急拡大で保健所の業務が増えて特定までの時間がかかる上、結果的に濃厚接触者がいなくても休校になるケースもあったという。

 このため同教委は、学校がより主体的に濃厚接触者の特定に関わるよう運用を一部改めた。学校内で感染者が確認された場合、学校が速やかに「濃厚接触者の候補者」リストを作成し、保健所と共有する。リスト作成にあたっては、大阪府健康医療部がまとめた「手で触れることのできる距離(1m程度)でマスクなしで15分以上会話した者」などの判断基準を参考にする。保健所がリストを追認したら、休校となる場合を除き、濃厚接触者と特定された生徒を10日間の出席停止とし、学校の教育活動は継続する。

 また、休校などについては同教委と協議の上、直近3日間の陽性者や濃厚接触者が学級内で15%以上確認されたら、原則3日間の学級閉鎖。複数の学級閉鎖など学年内で感染が広がっている可能性が高い場合は、原則3日間の学年閉鎖。複数の学年閉鎖に加えて他の学年でも感染が広がっている可能性が高い場合は、原則3日間の休校とすることを決めた。

 今回の通知は府立学校に加えて、各市町村や私立学校にも参考として送付した。同教委保健体育課は「これまでは保健所の判断を待つ間を休校としていたが、保健所が多忙で判断に時間がかかることもあり、子供たちの健やかな学びを保障するため運用を一部改めることにした」と話している。

 一方、今回の対応について学校現場からは当惑する声も上がっている。府立高校の校長は「保健所はほぼ機能しておらず、学校現場で判断できるほうが楽という面はある。先週までは保健所からの判断を待つ間、休校にしていたが、それは減るので学びは継続しやすくなる」と話す一方、「教員は医療的な知見を持っていないので、府が示した濃厚接触者の規定に当てはめるしかできないが、生徒に対して誰の濃厚接触者なのかを伝えなければいけないという非常にデリケートな問題もあり、それを現場教員が担うのは精神的な負担も大きい」と懸念を示した。

 また、大阪府内の公立小教諭は「濃厚接触者の判断が現場に降りてくると、管理職の負担が非常に大きくなる。特に管理職は土日もなくコロナ対応をしているが、教員が休んでも補充はなく、綱渡りで現場を回している状態だ」と学校現場もひっ迫している状況であると強調した。

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