学校と保護者の対立で「子供が置き去り」 いじめ対応で議論

 いじめの重大事態への対応などについて議論している文科省の「2021年度いじめ防止対策協議会」(座長:新井肇・関西外国語大学外国語学部教授)は1月31日、第3回会合を開き、子供や保護者、学校、教育委員会などからいじめの相談を受けるNPOの代表からヒアリングを行った。いじめの対応を巡って学校・教育委員会と保護者の関係がこじれた結果、長期間にわたり解決・改善に至らないケースが各地で起きているとして、互いにいじめ防止対策推進法や「いじめの防止等のための基本的な方針」などの理解を進めることの重要性が指摘された。

 登壇したのは、NPO法人「プロテクトチルドレンえいえん乃えがお」の森田志歩代表。各地で学校・教育委員会と保護者との話し合いに同席する中で、「法律や基本方針を互いに理解しておらず、論点がどんどんずれていくことがある。保護者側は親としての正義を貫こうとし、学校側は人員や財源の不足、多忙化などを背景に、業務を増やしたくない思いが見えることもある」と語った。

 その結果、「子供が置き去りになって苦しんでいるケースがたくさんある」として、「子供の1年と大人の1年の重みは違う。大人同士でもめている場合ではなく、スピード感を持って解決する必要がある。大人たちの事情や都合ではなく、被害に遭った子供の立場に立ち、一つ一つ考えていくことが重要」と訴えた。また学校・教育委員会だけでなく保護者も、重大事態の定義や法・基本方針について正しく知る必要があると指摘した。

 森田代表は多くの相談を受けた経験から「被害に遭った子供たちからは、調査を望むというより『今、すぐに助けてほしい』という声が多い。調査には通常1~2年はかかるが、その間に子供たちは、自分がこれからどうなるのか分からないまま、待たせられている」と指摘した。

 また「いじめの事件が起きると、世間で学校や教育委員会のバッシングが起きるが、本当に悪質な学校や教育委員会は一部で、ほとんどは何とかしようと努力している。教員の多忙や財源の問題が根底にあって空回りしてしまう。きちんと対応できている学校・教育委員会が良い事例として、もっと表に出てきてもよいのではないか」とも話した。

あなたへのお薦め

 
特集