特別支援学校の免許保有を必須に 静岡市の障害者支援団体

 特別支援学校の免許必須化の早急な実施などを求め、障害者を支援する「静岡市静岡手をつなぐ育成会」はこのほど、文科省に要望書を提出した。現状の教育職員免許法では特別支援学校の教員免許状がなくても教壇に立つことができ、同会の佐々木隆志副会長は「教員が教育の専門性を教育現場で発揮してもらうためには、その基礎となる特別支援学校の教員免許状は必須だ」と訴えた。

特別支援学校の免許保有必須化の必要性について説明する佐々木副会長

 文科省が発表した、特別支援学校の教員を対象とした特別支援学校教諭等免許状の保有状況の調査結果(昨年5月時点)によれば、特別支援学校の教員7万378人のうち、勤務する学校に合わせた当該障害種の免許状を保有している教員は5万9765人で84.9%となっている。前年度から1.9ポイント増加しており、保有状況は年々、改善されてきているものの、例えば静岡県は75.0%など、地域による差が大きいことも課題となっている。

 教育職員免許法によれば、特別支援学校の教員には、特別支援学校と特別支援学校の各部(幼稚部・小学部・中学部・高等部)に相当する学校種の両方の教員免許状が必要だが、当面は幼稚園、小学校、中学校、高校の免許状を持つ人は、特別支援学校の免許状がなくても、所有する免許状の学校種に相当する教員になることが附則により可能となっている。

 記者会見で佐々木副会長は「この附則は養護学校完全義務化の時から現在まで、40年以上変わっておらず、一部の教員は特別支援学校で免許を所持せず、教育現場に従事することが可能な規程となっている。保健、医療、福祉の各分野で専門性が叫ばれる中、怒りを覚え、普通学校との教育の差を感じる」と強く訴えた。

 さらに、同県の静岡北特別支援学校の現状について「高等部のプレハブ校舎は30年以上も使用されている。図書館もなく、廊下に本を置いているような状態だ」と述べ、全ての特別支援学校に図書館やコンピューター室、音楽室を必置することや、全ての子どもたちに一人一つの机を配置し、特別支援学校における個別支援教育の充実を図ることについても要望した。

 佐々木副会長は「免許を持っていればいいということではないが、少なくとも教育の充実を考えたときに、免許は必須だ」と話し、定員超過や教室不足など、課題が山積している特別支援学校の現状について、「障害者に寄り添うという点で、保護者はかなり疑問を持っている。個々の子どもたちの特徴を十分に理解しない上での指導は危険を伴うこともあり、個の力を引き出せるような状況になっていない」と指摘した。

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