高校生が仕事を多面的に捉える 企業の協力で疑似体験

 進路指導の一環で、来年度に進学や就職を控えている高校2年生に、さまざまな企業の仕事を体験してもらう取り組みがこのほど、千葉県船橋市にある通信制の中山学園高校(福井誠校長、生徒176人)で行われた。生徒らは不動産物件を紹介したり、電線の工事で安全に作業する道具を使ったりするなどして、さまざまな仕事を多面的に捉えていた。

電線工事の器具を操作する生徒

 同高ではこれまでも、さまざまな社会人が仕事について生徒に話をする「職業講話」などの進路に関するガイダンスの場を設けていたが、今年はより仕事の裏側まで知ってもらおうと、企業に依頼して体験型のプログラムにリニューアルした。この日は、高卒採用を行っている5つの企業の社員が来校し、各教室で実際の仕事の一部を疑似体験できるプログラムを用意した。

 その一つ、ケイアイスター不動産では、顧客のヒアリングシートを基に、どの物件を紹介するかを考える活動を取り入れた。生徒らは、ヒアリングシートの記述を分析し、候補の中からどの物件を勧めるべきかを検討し、その理由を話し合った。講師を務めた同社総務部人材開発課の大曽根哲(あきら)主任は「こうした体験型のプログラムは初めてだったが、高校生にも不動産とは何か、家を売るということについて知ってもらえればと思った。若いが可能性のある高卒の人材をしっかり育てていきたい」と話す。

 また、千葉県内で電力設備の工事などを手掛けている千葉パワーテクノでは、高電圧の電線に触れずに作業をする機械や、作業時に身に付ける安全装備品などを持参。実際にそれらを使ってみたり、身に付けてもらったりしながら、社会インフラとしての電気を支えると同時に、安全の重要性を生徒に伝えた。

 参加した生徒は「いろいろな仕事の話を聞けたり、体験したりすることができて楽しかった。卒業後は進学するつもりだが、その先の就職のことも視野に入れて考えたい」と進路についてイメージを持ち始めていた。

 同高で進路指導を担当する大畑直也教諭は「求人票を見て職場見学に行くよりも前の段階で、さまざまな仕事についてイメージを持ってもらおうと、今回から体験型のプログラムに変えてみた。例えば、携帯ショップの窓口には機種変更や契約でしか生徒は行かないが、実際には相談対応をする方が多いなど、生徒が最初にイメージしていた仕事はほんの一部で、実際にはもっとさまざまな仕事があることを知ることができたのではないか」と手応えを感じていた。

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