都教委、児童養護施設など退所者を調査 進学が就職上回る

 東京都教委はこのほど、児童養護施設などの退所者を対象とした実態調査の結果を公表した。退所直後の進路を尋ねたところ、2010年度の調査開始以降、初めて「進学」が「就職」を上回った。また退所直後に困ったことについては、「金銭管理」や「生活費」など金銭面で苦慮する人が目立った。

 調査結果によると、退所時点での年齢は「18歳」が61.7%と最多だった。入所期間では「10年以上」が32.3%と最も割合が高かった。

 退所直後の主な進路は、「進学」(「当時通っていた学校に引き続き進学」を含む)が46.5%、「就職」(「当時働いていた職場に引き続き就労」を含む)が42.8%で、「進学」が「就職」を3.7ポイント上回った。

退所直後の主な進路(前回調査との比較)

 進学と回答した人に学校の種類について尋ねたところ、「専門学校・短期大学」が38.1%、「4年制大学」が37.7%だった。「卒業した」は50.8%、「現在も在籍中」は35.2%だったものの、「中途退学した」との回答は14.0%あった。「中途退学した」と回答した人にその理由を尋ねたところ(複数回答・主な理由2つまで)、「学費・生活費などの負担が大きかった」(37.1%)と「アルバイトなどとの両立ができなかった」(34.3%)が特に多かった。

 また現在の就労・就学状況については、「働いている」が79.0%、「学校に通っている」が19.2%だった。就労している人の雇用形態については「正社員」の割合が最も高く47.8%を占め、次いで「パート・アルバイト」が39.8%だった。

 さらに、退所直後に困ったことについて、特に多かったのは(複数回答)、「金銭管理」(33.0%)、「生活費」(32.1%)などで、金銭面での悩みが目立った。その他にも「職場での人間関係」(21.0%)、「住民票や戸籍の手続き」(20.0%)などがあった。「困ったことはない」との回答は26.9%だった。

 主に相談した相手(複数回答)では、「施設の職員」が49.8%で最多。「相談できる人はいない」は12.5%だった。「以前通った学校の先生・元先生」は3.8%、「現在通う学校の先生」は1.6%だった。

 同調査は、2020年12月9日から昨年1月31日にかけて、過去10年間で児童養護施設や児童自立支援施設などを退所した545人から集めた回答を集計した。2010年度から5年おきに実施しており、今回で3回目の調査となる。

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