全中学校で下校を午後4時半に 岐阜県下呂市が働き方改革で

 岐阜県下呂市はこのほど、来年度から市内の全中学校6校で、生徒の最終下校時間を午後4時半に繰り上げる方針を公表した。教員の退勤時間を早め、働き方改革につなげることが狙い。市の中学校長会などが主導で進めており、すでに一部の中学校ではトライアル試行している。各校で6時限目の授業を部活動に切り替えるなど工夫を凝らし、効果が見えつつあるという。

 中心となって進める市立下呂中学校の中村好一校長によると、生徒の下校時間の繰り上げは、市の中学校長会や教頭会が部活動の在り方や教員の働き方を見直す過程で発案した。これまで、同市の中学校では夏季は午後6時、冬季は午後4時半を最終下校時間としていた。それを通年で午後4時半に前倒しする。

 一部の中学校では今年度より試行し、授業時間の確保方法なども併せて検討している。例えば下呂中学校では、6時限目の授業をやめて、週3日の部活動の時間に充てた。その分の授業時間については、行事のやり方を見直すなどして確保したという。

 中村校長は「コロナ禍の一斉休校がきっかけで、学校の当たり前と思っていたことを見直すきっかけができた」と話す。

 職員室では、すでに変化が見られている。教員の退勤時間が早まったのはもちろんだが、職員室の雰囲気に好影響があったという。中村校長は「目に見えて、教員に余裕やゆとりが生まれた。これまでの職員室はどちらかと言えば業務に追われる教員が多かったが、今では教員同士がコミュニケーションを取る姿が目立つようになった。先日はコロナ禍でもできる行事のアイデアについて、教員たちが話し合っていた」と手応えを語る。

 現場主導で始まった取り組みにも見えるが、「現場だけではやりきれなかった」と中村校長は語り、市教委や市長の強力なバックアップがあったと明かす。例えば、市内の中学生の多くが利用するスクールバス。新たな下校時間に合わせて、市のコミュニティバスの時刻を変更するなど、生徒の帰宅手段に影響が出ないよう配慮する。

 教員の働き方改革を進めるポイントについて、中村校長は「長年の経験の中で、どうしても『こういうものだろう』『これが当たり前だ』と思って動いている部分があった。しかし、実はそれが当たり前ではなかったと気付き、さまざまなことを見直せた。私たち管理職や教員が、固定観念を手放すことがスタートだと思う」と話す。

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