教員不足に危機感「働き方改革が一番の優先施策」 末松文科相

 全国の公立学校における教員不足の実態を示した文科省の調査結果について、末松信介文科相は2月4日の閣議後会見で、「調査結果は危機感を持って受け止めている。学校における働き方改革が一番の優先施策である、と申し上げておきたい」と述べ、教職員の働き方改革を進め、教職の魅力向上に取り組むことが、教員不足への対応策として最も重要だとの認識を明らかにした。また、文科省として教職員の定数改善を計画的に進めるとともに、教員の任用や配置を判断する地方自治体の教育委員会に対し、「よりいっそう、計画的な正規教員の採用・人事配置を行うように促していく」と語った。

教員不足について質疑に応じる末松信介文科相

 末松文科相は調査結果について、「えらい時代になったんだな、というのが実感だ。臨時的任用教員が確保できず、学校に配置予定の教師の数にも欠員が生じており、教師不足が大きな課題になっていることを改めて認識した。学校長が一生懸命(教員免許を持っている)教え子のところに電話をかけたり、教壇に立ったりしているという報告も聞いている」と所感を述べた。

 教師不足の背景や要因については「近年の大量退職、大量採用を背景に、臨時的任用職員の候補者が正規採用されたことによる、教師のなり手自体の減少であるということ。産休・育休取得者や、特別支援学級の見込み以上の増加ということが挙げられている」と説明。

 今後の対応については「これらの調査結果について、懸念すべき状況として、危機感を持って受け止めている。文科省として、やはり学校における働き方改革、教職の魅力向上の取り組みを進めていくことが一番重要だと思っている」と述べ、教員不足を改善するためには、教職員の働き方改革と教職の魅力向上への取り組みが最大の柱となる、との認識を表明した。

 その上で、教員確保に向けた文科省の取り組みとして「各教育委員会が見通しを持って正規教員の採用や配置が行えるように、小学校における35人学級や高学年の教科担任制を推進して、定数改善を計画的に進める」と説明。こうした国家予算による教員定数の改善を踏まえ、教員の任用や配置を判断する各教委に対し、「よりいっそう、計画的な正規教員の採用・人事配置を行うように促していく」と述べた。

 最後に末松文科相は「(定数改善によって)先生を増やそうということは決まったが、なかなか(教員志望者が)来てくれない。これでは、何のために努力しているのか、財務省が前向きに考えてくれたのか、無にしてしまうことになる。働き方改革が一番の優先施策である、と申し上げておきたい」と言葉を結んだ。

 文科省が1月31日に公表した教員不足の実態調査によると、昨年5月時点で公立の小学校、中学校、高校、特別支援学校の教員不足は合計2063人。このうち小中学校は1701人だった。教員が不足している学校数は公立学校全体で1591校となり、うち小中学校は1350校。公立小中学校のほぼ20校に1校で「教師不足」が発生している計算となる。小学校の学級担任では臨時的任用教員が11.49%を占める。特別支援学級の学級担任は臨時的任用教員の比率が23.69%に跳ね上がり、ほぼ4分の1だった。文科省が教員不足の実態調査を行ったのは、これが初めて。

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