MP学習、FSPなど独自の実践を報告 山形県天童市の小学校

 特異な才能を持つ児童生徒への指導の在り方について検討している文科省の有識者会議は2月16日、オンラインで第7回会合を開き、山形県天童市立天童中部小学校の大谷敦司校長から、同校の取り組みについてヒアリングした。同校は学習指導要領の枠組みの中で、児童がそれぞれのペースで学習に取り組む「マイプラン学習(単元内自由進度学習、MP学習)」や「フリースタイルプロジェクト(個人総合、FSP)」など独自の実践を取り入れ、個別最適な学びの環境を実現している。

 まず、大谷校長は校内の教員と共有している概念について、「教師主導ではなく、子どもの主体性を大切にして教育を進めることで、子どもたちは自分らしく学び、自分の良さをいっそう発揮することができる」「全ては子どもを信頼することから始まる」などと挙げ、学習者主体の授業への転換を図っていると説明。

 具体的には、MP学習、FSP、自学自習といった3スタイルの授業を、授業全体のうち2割ほどで取り入れている。

大谷校長が報告した天童中部小の授業風景

 MP学習では、児童自身が学習方法を決めて取り組む。同校では特別支援学級を含めた全学年で取り入れ、国語・社会・算数・理科のいずれか2教科を組み合わせて、1単元当たり15時間程度実施。児童は教室だけでなく、特別教室やホールなど好きな場所を選び、それぞれのやり方で学習に取り組む。

 FSPは、興味関心に沿って児童自身が学習テーマを設定し、探究学習や調べ学習を進める。特別支援学級を含めた4年生以上が対象で、総合的な学習の時間を使い、年間40時間ほど実施。さらに教員も自分の学習テーマを設定して課題に取り組み、教員、児童共に学び合う環境をつくって、お互いが刺激し合っているという。

 これらの取り組みを振り返り、大谷校長は「MP学習やFSPのおかげで、通常の授業にも変化があった。児童の意欲の生かし方や内容研究の大切さなど、教員の授業への向き合い方に変化があった」と成果を報告。さらに、「取り組みの『型』にとらわれず、『⾃由、⾃⼰決定、居⼼地、信頼、⾃信、意欲』といった理念をどう具現化するかが大切だ」と強調した。

 本田秀夫委員(信州大学医学部子どものこころの発達医学教室教授)は「特異な才能を持つ児童生徒を、特別な場所で育てるということに集中し過ぎると、偏見や差別の火種になってしまうのではないかと危惧している。インクルーシブな教育の中に、多様な個性が生きる文化があることで初めて、特異な才能を特別な場所で育てる土壌ができるのではないか。天童中部小の取り組みは、その土台をつくる上で必須のプロセス。多様な子どもたちが同じ場で、それぞれに個性を発揮する場が欠かせない」と評価した。

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