第一次産業の企業が協力 地域留学行う高校で起業家教育

 地元を支える魅力的な第一次産業を知ってほしい――。県外からも生徒を受け入れつつ、地域と連携した教育に力を入れている愛媛県立内子高校小田分校(藤本昭二校長、生徒59人)で、第一次産業で活躍する地元企業とコラボレーションした新商品を生徒が提案する起業家教育の取り組みが行われた。2月16日の授業では、1、2年生の生徒がグループに分かれて、考えてきた商品を発表。各企業の強みと同校がある小田地区の良さを生かしたアイデアをプレゼンした。

新しい商品のアイデアを発表する生徒(Zoomで取材)

 校内に魅力化推進室を設置し、都市部からの地域留学を受け入れている同校では、年々、県外や松山市などから入学する生徒が増えている。そこで、そんな生徒らに愛媛県の産業について興味を持ってもらうきっかけになればと、今回の取り組みを企画した。水産業や畜産、農業などを手掛ける地元の企業に呼び掛けたところ、8社が協力に応じて実現することとなった。

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、授業は全てオンラインで行われた。生徒は最初に、各企業から送られてきた商品を試食しながら、インターネットでどういった企業なのかを調査。次の時間には、各企業の社員とオンライン会議を開き、小田地区の活性化につながる新商品のアイデアについて意見交換した。

 この日の授業では、グループごとに考案してきた、各企業の強みを生かした新商品を紹介。ハタ科のタマカイとクエを掛け合わせた「タマクエ」の養殖で知られるイヨスイについてリサーチしたグループでは、タマクエのアラが過剰在庫になっているという同社の課題に着目。地元の名産である小田うどんの出汁にこのアラを使った「タマクエうどん」を、キッチンカーで観光客に提供してはどうかと提案した。

 また、ブランドの「内子豚」を育てる多田ファームとのコラボレーション商品を考えたグループは、家族や若者をターゲットにして、夏に天体観測をしながら内子豚のハンバーガーを食べたり、冬にスキー場でかまくらをつくり、その中で温かい豚汁を食べたりするイベントを思いついた。

 発表した生徒からは「企業と問題点を解決する方法を考えて、無駄の出ない商品を考えることができた」「どのように商品が開発されているかを知ることができ、就職先を考える上でも参考になった。自分の将来をしっかり考えていきたい」などの感想が聞かれた。

 同校で進路指導を担当し、今回の取り組みを企画した西山真司教諭は「県外からせっかく愛媛県に来てくれたのであれば、地元の産業について知ってほしい。愛媛県はやはり第一次産業が土台になっている。また、就職を考えている生徒もサービス業などを希望することが多く、第一次産業のイメージを魅力的なものに変えたかった」と狙いを説明する。

 内子町地域おこし協力隊で、同校教育魅力化コーディネーターの小田原希実(のぞみ)さんは「今回協力してくれたいくつかの企業からは、『ぜひ一緒に何かやりましょう』といった声を掛けていただいた。今後は、生徒個々の探究学習の一環で、地元の企業と一緒に活動できるような体制を整え、企業見学や、商品の開発・販売にまでこぎ付けることができたら」と期待を寄せる。

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