こども基本法の制定求める 教育学研究者らが署名・要望

 2023年度の創設に向けて、今国会で設置法の成立を目指す「こども家庭庁」を巡り、子ども政策に関わる団体代表者や研究者らで構成される「こども基本法の成立を求めるプロジェクトチーム(PT)」は2月18日、厚労省で記者会見を開き、こども家庭庁の設置と合わせて、子どもの権利や国としての子ども政策の基本方針を定めた「こども基本法」の制定を求めた。現在ネット署名も実施中で、与野党に立法の必要性を要望していくという。PTメンバーからは、子どもの権利に対する学校現場の認識にも課題があるという声も上がった。

こども基本法の必要性を説明するPTのメンバーと賛同人ら(こども基本法の成立を求めるプロジェクトチーム提供)

 PTには、秋田喜代美学習院大学教授、末冨芳日本大学教授、苫野一徳熊本大学准教授ら、教育学の研究者をはじめ、「School Voice Project」呼び掛け人の武田緑さんや日本若者協議会の室橋祐貴代表理事、フローレンスの駒崎弘樹代表理事らが名を連ねる。

 子どもの権利について定めた国内法がないために、子どもの権利が尊重されにくい社会になっているとPTでは指摘。子ども家庭庁の設置を契機に、こども基本法を成立させ、子どもの権利について社会的な周知を図るとともに、子ども基本法に基づいて国の施策を見直すこととし、それについて子どもが意見を述べたり、その声を取り入れたりすること、子どもの権利を保障するための独立機関であるコミッショナーを設置することを提案し、ネット署名を行ってきた。2月18日時点で約5700人の賛同が寄せられ、与野党に向けて要望を行っていくという。

 記者会見で、子どもの貧困問題に詳しい末冨教授は「現在の議論ではコミッショナーに焦点が当たっているが、こども基本法は理念の部分が大事だ。子どもの権利の基本原則を守り、同じ理念、同じルールで子どもを大切にしていける社会に向けて、基盤となる法律が必要だ」と呼び掛けた。

 また、同じくPTメンバーの武田さんは「学校現場は子どもの権利へのアンテナが決して高くない状況にある。虐待やいじめへの対応も課題だが、休む権利や遊ぶ権利、意見表明権への認識が遅れていると感じる。従来の学校教育の中の論理と子どもの権利の考え方がバッティングしたときに、管理上の都合や慣例が子どもの権利より優先されてしまう」と指摘。こども基本法が学校の認識を変えるきっかけになればと期待を寄せた。

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