中学校教諭に「理系ポスドク募集」へ 大阪市教委

 専門知識を生かした質の高い学校教育を目指そうと、大阪市が特別免許状制度を初めて採り入れ、理系の博士号を持つ研究者(ポスドク)を市立中学校の教員として採用する検討を進めていることが2月21日、分かった。市立中の数学や理科の教員採用倍率が、他教科に比べて極端に低いことを受けた措置という。2024年度から実施したいとしている。

 同市立中学校の採用試験の倍率は、国語や社会がおおむね3~7倍前後で推移してきたのに対し、数学は21年度が1.8倍、22年度が2.8倍、また理科も21年度1.6倍、22年度1.8倍と低迷している。このため昨年6月にあった総合教育会議で、特別免許状を積極的に活用することで採用試験の倍率アップを図ってはどうかという提言などが出されていた。

 ポスドクとは、大学院博士後期課程が終わった後に就く任期付きの研究職のこと。大学院の重点化政策の影響でポスドクが増えたため、期限付きでしか非正規の大学教員や研究所の研究員になれないなど、不安定な雇用が問題になっている。同市教委はそこに着目し、教職課程の履修者に限らない特別免許状制度を導入することで、安定した職場の提供を呼び掛けたい考えだ。

 一般の教員採用試験とは別に選考試験を行い、合格者を大阪府教委に推薦して特別免許状を出す流れ。現在のところ、採用対象は市立中学の数学と理科の教員だが、採用人数や他の教科に採用枠を広げるかどうかは検討中。ポスドクだけでなく、民間企業の経験者などにも対象を広げたい考えという。

 同市教委では「近畿では京都や和歌山ですでに似た制度を採用しているが、まだ少ない。全国的に教員のなり手不足は深刻で、これからは志願者確保のための自治体間競争の激化も予想される。専門知識だけでなく社会経験もある、多様で高度な人材の教員採用を推進したい」と話している。

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