学校の集団接種、推奨せず 文科省「同調圧力を生みがち」

 5~11歳の子供を対象とした新型コロナウイルスのワクチン接種が各自治体で開始されるのに先立ち、文科省、厚労省、内閣府は2月21日、幼児児童生徒に対するワクチン接種の留意事項をまとめ、都道府県の教育委員会などに周知した。学校を会場とした集団接種については、これまで対象だった12歳以上と同じく、「同調圧力を生みがち」「体調不良に対するきめ細やかな対応が難しい」として、推奨しないことを強調した。卒業式などの学校行事への参加に、ワクチン接種を条件としないことも求めた。個別接種については、16歳未満の接種には保護者の同意、小学生以下の接種には保護者の同伴が必要と明記している。

 文科省が同日付で出した事務連絡によると、学校を会場として、所属する幼児児童生徒にワクチン接種を行う集団接種については「保護者への説明の機会が乏しくなる、接種への個々の意向が必ずしも尊重されず同調圧力を生みがちである、接種後にみられた体調不良に対するきめ細かな対応が難しいといった制約がある」として、現時点では推奨しないことを改めて明確にした。同省は昨年6月22日、中高生を対象としたワクチン接種について、同様の理由で集団接種を推奨しない考えを、都道府県教委などに事務連絡で周知している。

 事務連絡では、個別接種の体制が確保できないなど、地域の事情で市町村が学校で集団接種を行う場合の留意点も挙げた。具体的には▽ワクチンの効果や副反応について、生徒や保護者に丁寧な情報提供や方法の工夫を行うこと▽16歳未満の幼児児童生徒にワクチン接種を行うときには、保護者の同意を得ること▽小学生以下の幼児児童の接種には、保護者の同伴が必要になること--としている。

 また、ワクチン接種が事実上の強制とならないようにするため、▽授業中など教育活動を実施している時間帯に、集団接種を行わないこと▽集団接種を行う場合には、接種を希望しない生徒や保護者に配慮して、放課後や休日、長期休業期間に設定するなど、心理的負担を軽減する工夫を行うこと--を求めている。

 幼児児童生徒がワクチン接種を受ける場合の出欠の取り扱いについては、指導要録上「出席停止・忌引き等の日数」として記録することで、「欠席としないなどの柔軟な取り扱いをすることも可能」と明示している。

 5~11歳の子供を対象としたワクチン接種はファイザー社製を使い、成分量は12歳以上の3分の1。3週間間隔で2回接種する。厚労省は予防接種法に基づく臨時接種に位置付けており、希望者は無料で接種を受けられる。ただ、同省の予防接種・ワクチン分科会は2月10日、予防接種法で定める「努力義務」の対象としないことを了承している。準備が整った自治体は対象者全員に接種券を送付し、近く接種をスタートする。

 一方、新型コロナウイルスのオミクロン株の感染拡大は、学校現場も直撃している。文科省によると、今年1月の児童生徒の感染者数は9万8425人に上り、月別で過去最多となった。2月9日時点で臨時休校・休園を行っている全国の公立学校・幼稚園は717校(全体の2.0%)。学年・学級閉鎖を行っている学校は4895校(同じく13.8%)に上っている。

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