国立大附属校の割増賃金未払い 法人化以降24大学で15億円

 国立大学の法人化以降、附属学校の教員の時間外労働に対する割増賃金の未払いがあったとして、労働基準監督署から是正勧告や指導を受けた国立大学法人が、全体の4割超に当たる24法人に上ったことが2月22日、文科省の調査で明らかになった。うち22法人は未払いの割増賃金をさかのぼって支給済みだが、筑波大学・三重大学の2法人は対応中。支給した人数は24法人合計で2952人、金額は15億5578億円に上った。

 附属学校を設置する55の国立大学法人のうち、2004年4月1日の法人化から昨年12月31日までに、時間外労働や休日労働に対する割増賃金の未払いについて、労働基準監督署からの是正勧告や指導を受けたことのある法人は24法人、対象学校数は全253校のうち66校だった。

 是正勧告や指導を受けたことがある法人は▽北海道教育大学▽山形大学▽茨城大学▽筑波大学▽群馬大学▽埼玉大学▽新潟大学▽信州大学▽静岡大学▽愛知教育大学▽三重大学▽京都教育大学▽大阪教育大学▽鳥取大学▽広島大学▽山口大学▽鳴門教育大学▽高知大学▽福岡教育大学▽佐賀大学▽長崎大学▽宮崎大学▽鹿児島大学▽琉球大学。

 是正勧告や指導の主な内容は「時間外労働に関する協定に定める時間外労働の上限を超えて労働させている(労働基準法第32条違反)」「時間外労働や休日労働に対する割増賃金を支払っていない(労働基準法第37条違反)」「賃金台帳が適切に調製、記入されていない(労働基準法第108条違反)」。

 また「教職調整額」として一定額を支給しつつ、それを超える場合でも超えた部分について超過勤務手当や休日勤務手当を支給していないと回答した法人が、全55法人中5法人(岩手大学、秋田大学、富山大学、金沢大学、愛媛大学)あった。文科省は22日に事務連絡を発出し、「これらの状況は、労働基準法などの労働関係法令に照らして適切ではないと考えられる」として、社会保険労務士などの専門家の助言を得るなどして、早急に改善に取り組むよう求めた。

 法人化前の国立大学附属学校の教員には、公立学校の教員と同じく、基本給の4%に当たる「教職調整額」を支給する代わりに、時間外勤務手当や休日勤務手当を支給しない給特法(公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法)が適用されていた。

 法人化後は同法が適用されないため、時間外労働や休日労働に対しては労働基準法に基づき割増賃金を支払う必要があるが、各法人が給与規定に基づき教職調整額を支給している場合がある。文科省の担当者は今回の割増賃金の未払いについて、「法人化による変更が十分に認識されず、そのままになっていた可能性がある」と話している。

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