次代のEdTech起業家ら 学校関係者などサポーターにプレゼン

 次代のEdTech起業家を支援する経産省の委託事業「Edvation Open Lab」の成果報告会が2月19日、オンラインで開催された。教育イノベーション協議会の佐藤昌宏理事(デジタルハリウッド大学大学院教授)や、同省の浅野大介サービス政策課長・教育産業室長らが出席し、登壇したEdTech起業家らがサービスの特長や魅力を、教育関係者や企業など「サポーター」にプレゼンした。初日にあたる19日は就学前や小中学生に向けたサービスが登場し、東京都小金井市立前原小学校元校長の松田孝氏も起業家の一人として登壇した。

趣旨説明する佐藤理事と浅野室長(左)

 同事業は昨秋始動。昨年11月に開催されたキックオフピッチイベントでは、新鋭の20のEdTechサービスが採択され、起業家らは社会実装に向けて事業内容のブラッシュアップを図ってきた。さらに事務局では、教育系企業や学校関係者をメンターとして迎え、それぞれのサービスの向上に向けてアドバイスをするなど、起業家の挑戦を後押ししてきた。

 今回の成果報告会では、登壇者が3カ月間の成果を発表するとともに、学校関係者や教育関連団体、教育新聞社などサポーターに向けて、サービスをプレゼンした。サポーターは支援したい企業があれば、実証事業や資金調達、広告といったことに関し助言などをする。

 この取り組みについて浅野室長は「学校の現状に合わせるのではなく、システム全体や制度そのものを変えていけるような、パワーを持ったコミュニティーにしていきたい」と意気込みを語った。

 起業家として登壇した松田氏は、AIを活用して学習者の学びを個別最適化するサービス「Shuffle.(シャッフル・テン)」についてスピーチ。

 シャッフル・テンは、学習者の授業の振り返りコメントをAIが解析し、それぞれの興味関心に合わせてYouTubeの学習動画をレコメンドする。さらに学習者はその動画を視聴し、シャッフル・テン上に感想を入力する。感想は一覧共有され、仲間の感想を見ることもできるという。その繰り返しの中で、学習者は自己調整力を自己評価する経験を積む。またシャッフル・テン上では、学習者の自己調整力をプロファイルし、客観的に見ることも可能だという。

 松田氏は「まずはサービスを使ってもらい、子どもの学びの姿とは一体何かと多くの人々が考え、それを通して指導者が今までの指導観や価値観を転換することが非常に大切だ」と語った。

 その他にも、オンラインで社会学習や職業体験を提供する『kids weekend』や、ゲームと探究学習を掛け合わせた通信教育『タンキュークエスト』など、多彩なサービスの発案者が登壇し熱弁をふるった。

 佐藤理事は「教育イノベーションは、小さなビフォーアフターの積み重ねの上に起こる。EdTechの定義は、デジタルテクノロジーを生かした教育イノベーション。イノベーションが起こらなければ、EdTechではない。起業家の皆さんには、ビフォーアフターを作っていってほしい。ただこれは本当に難しいことで、失敗体験の方が多いくらいだろう。この教育の領域にイノベーションを起こそうとしている方を、本当にリスペクトしている」と、起業家たちの挑戦をねぎらった。

 成果報告会の2日目は、2月26日に同じくオンラインで実施され、主に中学・高校で活用できるサービスが紹介される。

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