なぜ蓋にヨーグルト付かない? 電子顕微鏡で解明する出前授業

 ヨーグルトのふたの裏に、ヨーグルトが付かないのはどうしてなのか――。こうした日常にあるささいな疑問を、電子顕微鏡を使って解明するオンライン出前授業が2月24日、茨城県水戸市立梅が丘小学校(豊田雅之校長、児童712人)で行われた。同県ひたちなか市にある日立ハイテクが、同社製の「卓上型走査電子顕微鏡 Miniscopeシリーズ」を使用した理科教育支援活動を実施しており、その一環として同校の6年生4クラスが受講した。

出前授業を受けた6年生(梅が丘小学校提供)

 授業の冒頭、子どもたちは「私たちの目ではどのくらいの大きさまで見えるでしょうか?」と問われ、「①1ミリの10分の1まで」「②1ミリの100分の1まで」「③1ミリの1000分の1まで」のうち、多くの児童は③と回答。正解は①だと明かされると、意外な結果に驚いた様子だった。

 授業で使われた電子顕微鏡は、電子を使って見る仕組みで、真空にする必要があるなど特殊な準備はいるものの、10万倍まで物を拡大して観察することができる。小学校の授業で使われている実体顕微鏡は光を使って見る仕組みで、拡大できるのは40~60倍と、電子顕微鏡との差は歴然。

 同社の担当者が「植物によって大きさに違いはあるが、花粉の大きさは50マイクロメートル。不織布マスクを電子顕微鏡で確認すると数マイクロメートルしか隙間はないので、花粉を通さないというのは本当です」と、実際に電子顕微鏡で映した花粉と不織布マスクの表面を比較しながら説明すると、児童らは納得した様子だった。

 続いて、各クラスの代表者2人がヨーグルトの容器を力いっぱい振って、ふたの裏にヨーグルトが付いているかどうかの実験を行った。ふたをめくると、1人のふたにはヨーグルトが付いており、1人のにふたはヨーグルトが付いていないという結果に。そこで、あらかじめ用意しておいたそれぞれのヨーグルトのふたのサンプルを児童らが実際に触って、どんな違いがあるのかを確認したところ、「ヨーグルトが付かなかったふたの裏はざらつきがある」「本当だ、見た目はツルツルしていそうなのに、触るとザラザラしている」などの発見があった。

 ここで、同社の担当者から「これは水をはじくハスの葉の仕組みをまねて生まれた技術。はすの葉のような表面の凸凹を利用することで、ヨーグルトの付かないふたができたんですよ」と明かされ、実際に電子顕微鏡でその表面を拡大して確認する様子が中継された。

 他にも、例えば蚊の特性を生かし、刺しても痛くない注射針が開発されたことなども紹介され、担当者は「電子顕微鏡で見えないものが見えることによって仕組みや形が分かるようになり、社会を豊かにする新しい技術や製品が生まれている」と説明。児童らは「ヨーグルトのふたのような日常的で当たり前なことからも、こういう発見があるのが面白かった」と、科学技術に触れた喜びを語っていた。

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