教員免許更新制、7月に廃止へ 関連2法案を閣議決定

 政府は2月25日、10年ごとの教員免許の更新を定めた「教員免許更新制」を今年7月に廃止するとともに、来年4月から教員の新たな研修制度を導入し、教員一人一人の研修記録の作成を教育委員会に義務付ける関連法の改正案を閣議決定した。開会中の国会で成立すれば、7月1日以降に免許の期限を迎える教員は免許状更新講習を受講する必要がなくなり、実質的に来年度から免許状更新講習が不要となる。

 閣議決定されたのは、教育職員免許法から教員免許更新制に関する規定を削除する法改正案と、教員の研修記録の作成を教委に義務付ける規定を加えた教育公務員特例法の改正案の2つ。

 閣議後に記者会見した末松信介文科相は「近年、社会が急速に変化し、学校現場でもさまざまな課題への対応が求められている。また、各地域の課題に応じた体系的な研修や、オンラインの活用が急速に広まるなど、研修環境が変化している。こうした中、教師の学びも変わる必要がある」と指摘。

 教員の新たな学びについて「変化を前向きに受け止め、個々の教育のニーズに対応した個別最適な学び、単なる知識・技能の習得ではない教師間での協働的な学びなどが求められている。新たな研修システムへの移行を通じて、これからの時代に必要な教員の学びを実現する。文科省として教員の資質向上をしっかりと進めていく」と説明した。

 この2つの法改正案については、与党・自民党が2月15日に開いた政務調査会審議会で一部議員が問題点を指摘して法案審査の了承が先送りされ、文科省側が改めて法改正の趣旨を説明。2月22日に自民党が改めて法案審査を行って了承する、という経緯をたどった。

 これを受けて末松文科相は「法案の内容に変更はない。いただいた意見は尊重させていただきたいと思うが、具体的な施策で大きく変えるものはない。(法案成立後の)運用については、いろいろな意見が今後の国会審議の中で出てくる。その点には十分に耳を傾けたいが、骨格が変わることは全くない。(自民党の)多くは了とする意見だったと聞いている」と説明。今後の法運用に大きな影響はないとの見方を示した。

 教育職員免許法改正案が開会中の国会で成立すれば、7月1日に施行される。これにより、7月1日以降に教員免許の更新期限を迎える教員は免許状更新講習の受講や更新手続きが不要となる。文科省によると、教員免許の有効期限はほとんどの教員が年度末となっていて、夏休み期間中に受講するケースが多い。末松文科相は昨年11月19日の閣議後会見で「来年度、法律が施行されて以降に免許の有効期限を迎える教員は、免許状更新講習の受講や免許更新の手続きの必要がなくなる」と明言している。

 ただし、今年度末に有効期限が切れる教員や、産休・育休や海外在住などで施行日以前に有効期限が切れる教員は、更新講習を受ける必要がある。

 一方、教育公務員特例法の改正案では、任命権者である教委が校長・教員ごとに研修などの記録を作成するとともに、その記録を活用しながら、校長には教委が、教員には校長らが資質の向上に向けた指導や助言を行うことを盛り込んでいる。この改正案の施行期日は2023年4月1日となっている。

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