AI時代のテーマは「共創」 授業体験できるイベントが開催

 日本全国および海外の教員によるワークショップ形式の授業が体験できるオンラインイベント「授業共創プロジェクトこくり」が2月26日、開催された。AI時代に必要とされる創造的な授業を生み出そうと活動するコミュニティ「こくり」が主催。デザインツール「Canva(キャンバ)」やマイコンボード「micro:bit(マイクロビット)」、プログラミングツール「MESH(メッシュ)」などを活用したユニークな授業が行われたほか、「共創」をテーマに情報通信研究所の平井総一郎氏やドルトン東京学園中等部・高等部の安居長敏副校長などが登壇したパネルディスカッションが行われた。

「共創」をテーマに行われたパネルディスカッション

 「Canva」は、ウインドウズでもiPadでもクロームブックでも使える簡単なデザインツール。教育版を導入すれば、億を超える画像やフォント、グラフィック、アニメーションなどの素材を無料で使うことができる。また、グーグル・クラスルームや、マイクロソフト・チームズなどに共有することもできる。

 この日は初級編として「Canva」を使って名刺を作るワークショップが行われた。豊富なテンプレートから選ぶのに時間が掛かっていた参加者もいたものの、それぞれ個性あふれる名刺を作成。ワークショップを担当した静岡県立掛川西高校の吉川牧人教諭は「誰にでも操作が簡単で、子どもでも直感的にクリエーティブな作品が作れる。Canvaで出来ないことを探すほうが難しい」と話した。

 その後行われたパネルディスカッションには、平井氏と安居副校長、つくば市総合教育研究所の中村めぐみ指導主事、青山学院中等部の安藤昇教諭が登壇。モデレーターを教育クリエイターの鈴木健太郎氏が務め、「学校と教員が社会と共創するために必要なこと」をテーマに語り合った。

 鈴木氏は「これから先、創造性が必要だと言われているが、どうやって育めばいいのかが分からない人も多い。創造性は個人からではなく、集団での中で育まれていくのではないか」と切り出し、今後の重要なキーワードとして「共創」を挙げた。

 中村指導主事は同市の取り組みについて、「行政自体が縦割りで壁があったが、本市はその壁を取り払い、市全体で子どもたちを育てていこうとしている」と話し、共創しながら作り上げている事業の一つとして、子どもたちが研究者と共に学ぶなどしている「つくばSTEAMコンパス」を紹介。「何が良いかというと、いろいろな人からのアドバイスがもらえること。つくば市は地域資源が豊富で、いたるところに科学者や研究者がいる。来年度はもっと活動を広げていく」と強調した。

 安居副校長は、岡山県高梁市の公立中学校から声が掛かり、一緒にその学校の校則を見直す活動を行っていることを紹介。「生徒同士でどんどん共創していっている。教員同士がつながれば、こうした学校の枠を越えた取り組みも、今はオンラインでどんどんできる」と展望を述べた。

 それに対し、安藤教諭も「コロナは負の面もあるが、こんなにオンラインでいろいろと出来るようになったのは、コロナがきっかけだろう。自分もすごく成長したし、それは子どもたちも同じ。子どもたちはものすごい吸収力があり、私を凌駕するような技術を身に付けていっている。大人がきっかけをつくったり、学びの場をつくったりするだけで、子どもたちは大きなことができる」と話した。

 平井氏は「まず、先生と子どもたちが『10年後、20年後、どうなるの?』と未来を一緒に考えたり、共有したりすることが重要だ」と強調。さらに「これからの学びは、社会とのリンクがどれだけできているか。学校をオープンにするべき。一つはPBLをどんどんやっていけば、学校の中だけではやっていけないので、助けをどんどん外に求めていくようになる」とアドバイスを送った。

 同イベントは今夏に第2回を予定している。

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