教室空間に余裕を 新時代の学校施設の最終報告案を了承

 GIGAスクール構想をはじめとする、これからの学びに対応した学校施設の在り方を検討している文科省の新しい時代の学校施設検討部会は3月4日、第10回会合をオンラインで開き、最終報告案について了承した。従来の教室面積では、机の大型化やICT機器の導入、新型コロナウイルスの感染防止の観点から、学級規模によっては余裕がなくなると指摘。ゆとりのある空間づくりを工夫しながら、個別最適な学びと協働的な学びに対応する方向性を示した。最終報告を踏まえ、文科省では学校施設整備指針の改訂に着手する考え。

教室に隣接する多目的スペースを活用した多様な学びの姿

 「Schools for the Future 『未来思考』で実空間の価値を捉え直し、学校施設全体を学びの場として創造する」と題した最終報告案では、GIGAスクール構想による1人1台の学習者用端末の活用が当たり前となった学校で、個別最適な学びと協働的な学びを一体的に充実していくための教室環境や学校施設整備の観点を整理した。

 教室空間では、GIGAスクール構想で教室用机の大型化や充電保管庫、大型提示装置の整備などが求められることや、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための新しい生活様式への対応なども踏まえ、従来の平均面積64平方メートルの教室では、学級規模によっては空間的な余裕がない状況が発生すると指摘。ゆとりのある教室空間の設計や多目的スペースの活用などを提言した。

高機能の機器を備え、コンピューター教室をデザインラボとして活用していくイメージ

 また、学校図書館や特別教室についてもさまざまな創意工夫の例と共に、主体的・対話的で深い学びなどに対応した空間づくりを提案。特にコンピューター教室や視聴覚教室は、個別の学習者用端末では性能的に実現困難な学習活動を効果的に行える空間として捉え直し、個人やグループで活用できる先端機器を導入したり、オンラインによる遠隔交流学習の場としたりするなど、自由度の高い空間とすることが望ましいとした。

 さらに、特別支援教育などの観点から、障害のある児童生徒や、外国につながりのある児童生徒、教室に入りづらい児童生徒に対応するために必要な施設や場の整備も盛り込んだ。

 同部会の最後にあいさつした部会長の長澤悟・東洋大学名誉教授は「学校は教育施設ではない。学校は学校だ。それは今回のテーマで言えば大きな幹の学びがあり、そこに生活があり、共創があるということだ。私が学校について学び始めたときの基本だったフレーズを、今回の議論の中で今の時代背景を踏まえて捉え直しをさせていただいた。各委員の先生のご専門の立場から、さらに考え続ける貴重なヒントになった。この報告書を見ていただく教職員の方々、保護者、地域、学校設置者、関係者に共有してもらえたらいいなという内容の報告書になった」と、これまでの議論を振り返った。

 最終報告案は、3月17日に開かれる同部会の親会議に当たる「学校施設の在り方に関する調査研究協力者会議」で取りまとめられる予定で、文科省ではこれらを踏まえて学校施設整備指針の改訂を行う。

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