小学5・6年に塾代助成を拡大へ 23年春から、大阪市

 子育て世帯の負担軽減を目的に、大阪市が実施している子どもの塾代の助成対象が、これまでの中学生に加え、2023年度からは小学生5、6年生にまで拡大されることになった。松井一郎市長が3月3日、市議会で表明した。12年に始まった同制度は今年で10年目。同市のような規模で塾代を助成する自治体は他に例がなく、今では市内の全中学生の、約3割の家庭が受給する形で定着している。

 大阪市の「塾代助成事業」は、12年に橋下徹市長(当時)が「家庭の経済状況によって子どもたちの格差が固定されるのは望ましくない」としてスタートさせた。初年度は生活保護率が高い同市西成区の低所得世帯の中学生(約950人)が対象だったが、翌13年に市内全域の中学生に広げた。世帯の収入や子どもの人数ごとに制限を設けた上で、学習塾や家庭教師、文化・スポーツ教室などにかかる費用のうち月額1万円を上限に助成するという仕組み。

 同市が学校を通じて希望者を募る一方、事前に市と契約した塾や習い事教室などの事業者に助成金を交付する。対象となるのは学習塾のほか、習字やそろばんなどの習い事、体操などのスポーツ教室。生徒にはそれぞれICチップがついたカードが配られ、1カ月に1度、学習塾や習い事教室などでカードリーダーを使って出席を確認しているという。

 例えば中学生の子ども2人がいる夫婦共働きの4人家族の家庭なら、両親の収入の合計額が398万円未満ならこの制度を利用できるという。同市こども青少年局によると、21年度は市内の全中学生(約5万2000人)のうち3割近い約1万5000人が制度を利用している。

 同市は、この制度の対象を23年4月から小学5、6年生(約4万人)に広げる。その理由について松井市長は「体力や学力が追い付かず、『中1ギャップ』で学校が嫌になるというケースも見受けられる中、そうしたリスクを抑えていく」と説明している。中学生と小5、6年生を合わせた事業全体の年間予算は約31億円になる見通し。

 今年1月現在、同制度に登録している業者は同市内の学習塾は2035、スポーツ教室は393、文化教室407。生徒や保護者に実施したアンケートでは「新たに塾に通い始めたり、塾で受ける科目数が増えたりして、成績が上がってよかったと評価する声が圧倒的に多い。また保護者からは、生活費に支出できるお金が増えたと歓迎する声も少なくないが、助成額が少ないと増額を望む声もある」(青少年課)という。

あなたへのお薦め

 
特集