常用漢字表の在り方検討を提言 教育漢字との連携に課題

 文化庁の文化審議会国語分科会は3月8日、第21期の最後となる第80回会合を開き、国語課題小委員会で議論されてきた、国語に関するコミュニケーション上の課題についての審議経過整理案を了承した。整理案では、学校教育上の課題として、常用漢字表と学習指導要領で定めている教育漢字との連携に課題があると指摘。常用漢字表の在り方について検討することを提言した。

 整理案では、社会の国際化に伴う日本語への影響や日本語を母語としない人への対応、情報化によるコミュニケーションの変化などを、現状の日本語の課題として挙げた。

国語課題小委員会の審議経過の整理案を了承した文化審議会国語分科会(YouTubeで取材)

 その上で学校教育に関しては、2010年の常用漢字表の改定で多くの漢字が追加されたことで、初等中等教育の現場で負担になっている恐れがあり、常用漢字表にある漢字は必ずしも手で書けるようになる必要はないとされているにもかかわらず、教育現場で難しい漢字の書き取りを求められるなど、常用漢字表と教育漢字の連携に課題があるとした。

 また、小学校では、情報機器の普及や外国語学習によって、日本語をローマ字でつづる場合と、英語などの外国語の単語のつづりを同時期に学ぶことで混乱が生じている可能性や、手書きの機会が減少することについて懸念を示した。

 その上で、今後の国語施策として取り組むべきものとして、将来的な常用漢字表の在り方を検討するよう提言。改善に向けて、児童生徒を対象とした常用漢字表にある漢字の理解度調査や、「手で書けるようになるべき漢字」「情報機器で適切に選択し、活用できればよい漢字」といった分類を示すこと、より基礎的な漢字をまとめたグループを設けることなどの工夫が考えられるとした。

 さらに、これに関連して、常用漢字表の語彙(ごい)版に当たるような、日本語によるコミュニケーションに必要となる基本的な語彙の考え方やリストの作成を検討することも提言した。

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