映研の学生らが提案・撮影 生徒主演の本格的な中学校PR動画

 映像づくりを通して学校の思い出を届けたい――。東京都練馬区立開進第二中学校(指田和浩校長、生徒442人)で3月7日、近隣の武蔵大学映画研究会の学生らが、同中のPR動画を撮影する取り組みが行われた。動画には同中の生徒らが出演し、本格的な映像制作の面白さを体験した。

撮影に臨む映画研究会の学生ら

 同研究会では、コロナ禍で学校行事などが例年のようにできない中で、体験や思い出づくりができない地域の学校に対し、自分たちの映像制作のスキルを生かしたいと、学校PR動画を撮影するプロジェクト企画を提案。これに同中が手を挙げて、撮影日は半日だけという過密スケジュールながら、プロジェクトが実現した。PR動画は、卒業式の2週間後に同中を訪れた3年生の生徒が、校舎の中を巡りながら友人たちと再会し、思い出を振り返っていくという展開。綿密なロケハンや学校との打ち合わせをした上で絵コンテや割本も用意され、同研究会スタッフは午後1時ごろから校舎に入り、生徒が入らないカットなどを撮影していた。

 放課後になると、いよいよ同中の生徒が参加。生徒会のメンバーを中心に、主演やエキストラとして演技を行った。監督の石田瑞樹さんから「ここにこの子がいることを知らないはずだから、教室に入ったら少し周りを見渡して、『あれ?』って気付く感じで」などと演技指導を受けた生徒らは、最初は表情も固かったものの、少しずつ緊張も解けていき、撮影終盤では廊下を使った長いワンカットも見事にやり遂げた。また、エキストラや興味津々で見学していた生徒も率先して手伝いだすなど、撮影作業を通して一体感が生まれていった。

撮影したカットをチェックする監督の石田さん

 完全下校時刻までに生徒が入ったカットを何とか全て撮影し終えると、石田監督から生徒らにサプライズの花束が贈られ、無事にクランクアップ。主演を務めた同中2年生で生徒会長の鈴木紬弘(つむぐ)さんは「撮影前には、どんな会話だと自然な感じになるかをみんなで考えたり、笑顔の練習をしたりした。テレビなどで見た映画の撮影風景そのものを体験でき、思っていた以上に多くの人が撮影に関わっていることが分かった。この動画は小学6年生が見ると思うので、学校の明るい雰囲気や先輩の優しさが伝われば」と満足そうな表情を浮かべた。

 撮影の様子を見守った生徒会担当の青山木の実教諭は「コロナ禍で職場体験や校外学習も制限がある。そんなときに提案をもらい、こんなことはなかなかないと思った。生徒も最初は恥ずかしがっていたが、生徒会が中心になって呼び掛けてくれたので、人数も集まった。これをきっかけに、大学のことや将来に興味を持ってくれたら」と話す。

 「映像制作の中でも、自分が出演者というのは特別な経験になるはずだ。学生が作っているとはいえ、一つの作品だ。他の学校でもオファーがあれば受けたい」と石田監督。生徒が入らないカットの撮影は夜になっても続けられた。PR動画は編集作業を経て、新年度にはお披露目を迎える予定だという。

あなたへのお薦め

 
特集