適正規模の学校は小学校48%、中学校38% 文科省調査

 地方の人口減少や都市近郊部の人口増が進む中、児童生徒の教育条件として適正とされる学級数を持つ学校は、昨年7月時点で、小学校が47.8%、中学校が38.1%となっていることが、学校設置者である全国の市区町村を対象とした文科省の実態調査で3月11日、明らかになった。域内の学校の規模に課題があると考えている市区町村は77%に上り、このうち84%が対策の検討に着手している。学校規模の適正化を図る上での課題や懸念としては「保護者や地域住民との合意形成」がもっとも多く、国からの支援の要望では「教職員定数の加配措置による支援」が首位となった。

 児童生徒の教育条件からみた学校規模について、文科省では小学校、中学校ともに12学級から18学級を標準として、11学級以下は過小規模、31学級以上は過大規模とみている。このため、実際には、12学級から30学級までが小中学校の適正な規模と判断されている。この理由について、同省では「人間関係の固定化を避け、多様な意見に触れながら、協働的な学びを実現するためにも、クラス替えが可能になる学級数を確保することが望ましいと考えている」(初等中等教育局教育制度改革室)と説明している。

 今回の実態調査の結果によると、全国の小学校1万9055校のうち、標準とされる12-18学級は6330校(33.2%)、19-24学級は2109校(11.1%)、25-30学級は670校(3.5%)で、適正規模とされる12学級から30学級の学校数は合わせて9109校(47.8%)だった。過小規模とされる11学級以下の学校は9458校(49.6%)に上る=グラフ参照。

学校規模の現状

 中学校9157校では、12-18学級は2698校(29.5%)、19-24学級は675校(7.4%)、25-30学級は110校(1.2%)で、適正規模とされる12学級から30学級の学校数は合わせて3483校(38.1%)。過小規模の11学級以下の学校は5539校(60.5%)で、全体の6割を超える。

 一方、人口流入が進む首都圏近郊部など市区町村では、過大規模とされる31学級以上の学校が、小学校で259校(1.4%)、中学校で50校(0.5%)あった。

 義務教育学校149校では、18-27学級が31校(20.8%)、28-36学級が15校(10.1%)で、適正規模とされる学校は合わせて46校(30.9%)にとどまった。過小規模とされる17学級以下の学校は101校(67.8%)だった。小学校や中学校に比べ、義務教育学校で適正規模の学校が少ない背景には「人口減少地域で、学校を存続させるために小学校と中学校を統合し、十分な学級数が確保できないケースが多いと考えられる」(同)という。

 こうした学校規模の実態について、市区町村の認識を聞いたところ、「おおむね適正規模である」が22%だったのに対し、「一部地域に過小規模の学校があるが、統合の対象となり得る学校がない」などと課題を抱えている市区町村は77%に上った。課題を抱える市区町村に解消に向けた検討状況を聞いたところ、「検討組織はすでに終了し、方針・計画が策定されている」と答えた21%を含め、対策の検討に着手している市区町村は84%だった。一方、「課題はあるが、現時点で検討の予定は立っていない」と答えた市区町村は16%あった。

 また、2019年度から21年度までの3年間に、統合した小中学校は437件あり、1055校が454校に再編された。統合の形態では、小学校同士の統合が273件、中学校同士の統合が94件、小学校と中学校の統合による義務教育学校の設置が51件などとなっている。

 こうした統合に伴い、通学手段も変化している。スクールバスを導入した小中学校は統合前の156件が統合後には325件に増えた。統合後の学校で通学時間が最も長い児童生徒の実態を調べたところ、小学校では「30分-40分未満」が31%で最も多く、「20分-30分未満」が29%、「40分-50分未満」が19%と続いた。中学校では「30分-40分未満」が38%、「40分-50分未満」が22%、「20分-30分未満」が17%となっている。

 学校規模の適正化を図る上での課題や懸念を市区町村に聞いたところ、「保護者や地域住民との合意形成」(89%)が最も多く、「地域コミュニティーの維持」(60%)、「地理的要因、交通事情」(60%)と続いた。

 国からの支援の要望では「教職員定数の加配措置による支援」(86%)がトップで、「施設整備への補助」(80%)、「スクールバス導入費用への補助」(63%)などが挙がっている。

 調査対象は全国全ての自治体で、調査時点は市区町村が昨年7月26日、都道府県が同10月14日となっている。

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