パックンが自身の経験語る 子供の貧困対策でフォーラム

 内閣府は3月10日、子供の貧困対策について考える「子供の未来応援フォーラム」を、オンラインで開いた。フォーラムにはお笑いコンビ「パックンマックン」が登壇し、パックンことパトリック・ハーランさんが子供時代の貧困経験を語ったほか、フードバンクを運営するNPOの理事長が、食の支援の現場から見えてきた子供の貧困の実態を報告。貧困の連鎖を断ち切るため、一人一人ができることは何かを語り合った。

オンラインで行われた「子供の未来応援フォーラム」のパネルディスカッション(Zoomで取材)

 登壇したパトリックさんは子供の頃、周りの子供ができることが経済的事情でできない「相対的貧困」を経験したことを明かした。逆境にありながらもハーバード大学を卒業できた理由について、「学習塾には通っていないが、勉強を教えてくれる大人や、放課後に受け入れてくれる家庭もあった。政府や民間からの学費の援助もあった」と、周囲のさまざまな支援があったことを語った。

 また、「日本では、人が言わんとしていることをすぐくみ取ってくれる。その代わり、はっきり言って相手に気付かせるということがあまりない。『実はうち、困っているんですよ』とはなかなか言えないし、『困っていますか』と聞かれて『はい』と言えない」と、日本で貧困が見えにくいとされる一因を語った。

 また認定NPO法人フードバンク山梨の米山けい子理事長は、2016年に行った教員向けアンケートを紹介。「5割の先生は子供の貧困を実感していたが、一方で『人には知られたくない』『人の世話にはなりたくない』と、明日の食べ物に事欠く状況でも、学校の先生に相談しない状況もあることが分かった」と報告した。

 求められる対応策として、日本では子供の貧困が見えにくいからこそ意識を高める必要があることや、声を上げたり支援を受けたりしやすい環境を作ること、一人一人が寄付やボランティアなど、支援のための行動に移すこと、子供や家庭を支えるための予算を拡充することなどが挙げられた。

 日本の17歳以下の子供の相対的貧困率は、18年時点で13.5%に上り、経済的理由により就学援助を受けている小中学生は約137万人となっている。政府は▽教育の支援▽保護者の就労の支援▽生活の支援▽経済的な支援――を柱とした対策を進めている。

 あいさつに立った野田聖子内閣府特命担当相は「周囲に支援を求めることができない、社会的に孤立しているといった厳しい状況にある子供や家庭に確実に支援を届けるには、国の政策はもとより地域や企業、自治体、NPOなど支援団体がそれぞれの力を発揮することが非常に重要」と強調した。

あなたへのお薦め

 
特集