平和を願う6000個のキャンドルアート 上越教育大附属中

 6000個のキャンドルアートで平和を願う――。上越教育大学附属中学校(桐生徹校長、生徒323人)では、3月に予定されていた2年生の沖縄への修学旅行がコロナ感染拡大の影響を受けて中止になったため、代替行事「SNOW MEMORIAL PEACE PROJECT」を実施した。そのフィナーレとして、3月11日には同校のグラウンドでキャンドルアートが行われ、東日本大震災への哀悼や、戦争のない平和な社会を願って火がともされた。

 同プロジェクトでは、沖縄戦を描いた映画『GAMA-月桃の花』を鑑賞したり、沖縄とオンラインでつないで戦争体験者から話を聞いたりするなど、上越から平和を考えるさまざまな活動に取り組んだ。

沖縄とつないだオンライン平和学習(上越教育大附属中提供)

 3月9日には、沖縄平和ネットワークで平和ガイドをしている北上田源さんが、生徒たちが修学旅行で訪れる予定だった「ひめゆりの塔」からオンラインで中継し、沖縄戦で看護要員として沖縄陸軍病院に動員された「ひめゆり学徒隊」について話した。

 「みんなと同じぐらいの年の子が、手術の手伝いをしたり、傷口から出てくるうじむしを取ったりするなど、非常に過酷な看護活動をやっていた。彼女たちは普通の中学生、高校生だった。きっと今の君たちと変わらない学校生活があっただろう。そういう普通の人たちが、戦争に動員されていた」と戦争の悲惨さが語られると、生徒らは驚きながらも真剣な様子で耳を傾け、メモを取った。

 生徒らは「これまで戦争体験者は自分とはかけ離れた存在だと思っていたが、ひめゆり学徒隊の話を聞いて、私たちも同じような状況になりかねないのではと思った」「戦争を体験したのは特別な人ではなく、普通に生活していた人だったという話が印象に残った。何を学び、何を考えたのかを友達や家族に自分の言葉で伝えてみたい」と感想を語った。

 また、生徒から「戦争について、どんなことを伝えていきたいか」と質問を受けた北上田さんは、現在のウクライナ情勢にも触れながら、「ニュースなどで町や施設が爆撃を受けた映像などは入ってくる。しかし、戦争が始まる前に、ウクライナの人たちにどんな暮らしがあったのかは、私たちには伝わってこない。戦争は普通の人たちが巻き込まれているんだということを、これからも伝えていきたい」と力を込めた。

平和を願った6000個のキャンドルアート(同)

 同プロジェクトのフィナーレとして11日には、2年生106人が平和への願いを込めて作った約6000個の紙コップキャンドルが同校のグラウンドに並べられた。紙コップキャンドルには、1、2年生、2年生の保護者や教職員らが平和へのメッセージをつづっており、日没後、2年生はその一つ一つに平和の火をともしていった。また、セレモニーでは同校で伝統的に歌われてきた世界平和を願う「青葉の歌」を、思いを込めて合唱した。

 実行委員長の生徒は「今日で東日本大震災から11年が経った。当時、私たちは3歳で、この11年間たくさんのことを経験してきた。いろいろなことがあったけれど、みんなに出会えたことが奇跡だと私は思っている」と語った。さらに、「ウクライナ情勢からは、幸せな生活も一瞬にして変わってしまうことを感じている。普段の何気ない日常において仲間と共に成長できること、家族と過ごせることに改めて感謝しようと思った。これからも自分を愛すること、仲間を思うことが大きな力になると思って挑戦していきたい」と決意を述べた。

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