来年度は「大きな節目」 中教審、今後の高校改革を議論

 高校での新学習指導要領実施を目前に控え、中教審の初等中等教育分科会は3月14日、第135回会合を開き、来年度から予定されている高校での新しい学びについて議論した。新学習指導要領の実施に加え、高校の特色化・魅力化に向けた施策などが予定されている来年度は「大きな節目となる年」だと文科省が報告。委員からは、地域との協働や中学校との連携など、これからの高校改革にとって重要なことを指摘する声が寄せられた。

 文科省の担当者は、来年度は「新学習指導要領の実施、昨年1月の中教審答申で提言のあった各種制度改革の実施、成年年齢の18歳引き下げなど、高校教育にとって大きな節目となる年」と説明。予定されていることとして、新学習指導要領の実施と教科・科目構成の見直し(「現代の国語」、「公共」、「情報Ⅰ」の新設など)、1人1台端末環境の整備、スクール・ポリシーの策定・公表、高校の特色化・魅力化を目指す「新時代に対応した高等学校改革推進事業」の開始、飛び入学者への高卒程度認定審査制度の創設――などを報告した。

 また通信制高校でも、想定する生徒が「学ぶ意欲を強く持ちながらも、就業のためにその機会が得られない勤労青少年」から「不登校経験のある16~18歳の未就業者」へと変化しつつあり、教育方法や学習支援体制などを再検討する必要があること、また一部で不適切な学校運営や不十分な教育活動が見られることを踏まえ、調査研究協力者会議での議論を進めていることを報告した。

 これに対し、岩本悠委員(地域・教育魅力化プラットフォーム代表理事)は同団体の調査をもとに、「生徒の資質能力の向上育成に向けては、地域社会の人や課題にじかに触れる機会や、多様な大人との出会いがあるかなど、地域社会に開かれた学習環境が重要」と指摘。

 さらに学習環境を豊かにする要素として「地域や社会とつなぐコーディネート人材の有無、関係機関との連携・協働体制の有無、生徒の多様性」を挙げ、「理念だけでなく、エビデンスや事例とともに高校教育改革を進めていくのが重要」と述べた。

 現場の高校の立場からは、井坂秀一委員(神奈川県立柏陽高校校長)が「(新たな教育の)受け手である子供たちの目で見た場合に、本当に高校の特色というものが、どこまで伝わっているのかが大事。現在でもミスマッチというか、高校の特色を十分に理解しないままに入学してしまう生徒も少なくない」と話し、「ソフトの部分において、中学校と高校が連携する仕組み作りが必要だ」と訴えた。

 文科省など3府省で作る「総合科学技術・イノベーション会議の教育・人材育成ワーキンググループ(WG)」にも参加してきた秋田喜代美委員(学習院大学文学部教授)は、同WGでの議論も踏まえ、「女子の理系選択が高校になって大きく減り、高等教育に行くときにかなりのジェンダー差が起きているという問題が、これまで(高校教育改革の検討の中で)議論されてきていない。どこかで考えていくべき課題ではないか」と指摘した。

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