高校魅力化は学習活動に有効 島根県の評価システムを分析

 島根県を中心に地域との協働による高校の魅力化に取り組んでいる「地域・教育魅力化プラットフォーム」はこのほど、シンクタンクの三菱UFJリサーチ&コンサルティングと共同で行った調査結果を公表した。島根県における「高校魅力化評価システム」の分析から、高校の魅力化が生徒の能力認識や学習活動などに有効であることをデータで裏付けた。

 魅力ある高校づくりを推進している島根県では、地域・教育魅力化プラットフォームと三菱UFJリサーチ&コンサルティングが共同開発した、教育委員会としての施策評価や県立高校における実践の振り返りを継続的に見ることができる「高校魅力化評価システム」を、全国に先駆けて導入。高校の魅力化が各校の学習環境や生徒の資質・能力にどのような影響をもたらしているかを、定量的に調べている。

 分析調査では、2019年、20年、21年に、それぞれ県立高校38校に対して行われたアンケートを基に、高校魅力化評価システムの評価指標が、3年間でどのように変化しているかを見た。

高校魅力化が生徒に及ぼした影響に関する3年間の推移(三菱UFJリサーチ&コンサルティングのレポートより)

 その結果、主体性や協働性、探究性、社会性に関する生徒の能力認識や行動実績で、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けたと考えられる社会性に関わる行動実績を除いた項目で、上昇傾向にあることが示された。

 また、主体性や協働性、探究性、社会性に関する学習活動の量や学習環境の質が豊かな学校ほど、生徒の資質・能力を高める関係にあり、3年間でこれらの豊かさが高まっている学校では、生徒の資質・能力も高まっていた。

 さらに、自治体や小中学校、関係機関など高校が連携したコンソーシアムの構築や、コーディネーターなどの教員以外のスタッフの配置をしている学校では、そうでない学校と比べて学習環境が豊かであることなども分かった。

 地域・教育魅力化プラットフォームの岩本悠代表理事は「4月1日から高校の新学習指導要領が始まり、高校教育改革の制度改正も施行される。各高校で特色化や魅力化に取り組みながら、社会と連携して協働をしていく学校をつくっていくことが始まる。この節目のタイミングで、4月から高校教育改革を進めるためのポイントをデータで明らかにして、社会に公表しようという位置付けになる」とレポートの狙いを説明した。

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