学校施設2部会の報告を了承 4月中に整備指針を改訂へ

 文科省の「学校施設の在り方に関する調査研究協力者会議」は3月17日、第14回会合をオンラインで開き、GIGAスクール構想などに対応したこれからの学校施設の在り方をまとめた「新しい時代の学校施設検討部会」の最終報告案と、「特別支援教育の在り方を踏まえた学校施設部会」の報告書案について、大筋で了承した。特別支援学級の配置では、通常の学級と特別支援学級の教室を近接させて交流を促す計画づくりの重要性を提言。これを受けて文科省では、4月中に学校施設整備指針を改訂する。

2つの部会の報告を大筋で了承した調査研究協力者会議(YouTubeで取材)

 「新しい時代の学校施設検討部会」の最終報告案では、日常的に学習者用端末やICTを活用しながら、個別最適な学びと協働的な学びを一体的に充実していくための教室環境や学校施設整備の観点を整理。従来の平均64平方メートルの教室では、学級規模によっては空間的な余裕がない状況が発生するとし、多目的スペースの活用やゆとりを持たせた教室空間の設計を提言したほか、今後の特別教室の姿や特別支援教育への対応などを盛り込んだ。

 一方、特別支援学校だけでなく、幼、小、中、高における特別支援教育の視点を踏まえた施設整備の方向性についてまとめた「特別支援教育の在り方を踏まえた学校施設部会」の報告書案は、インクルーシブ教育システムの実現に向けて、障害の有無にかかわらず、多様な子どもたちが可能な限り共に教育を受けられる学びの場を整備するとし、増加する障害のある児童生徒の教育的ニーズに対応し、通常学級、通級指導、特別支援学級、特別支援学校での連続性のある多様な学びの場の充実を求めた。

 特に、小中学校の特別支援学級の教室配置は、通常の教室を配置した残りの教室を充てるといった対処法ではなく、施設全体の配置計画の中で、特別支援学級の活動の特性に応じた良好な環境を確保できる場所に設置することや、障害のある子どもが社会から分け隔てられているという意識を生み出さないように、教室配置や動線の設定で、通常の学級と特別支援学級の教室を近接した位置に計画するなどして、日常的な交流を促すようにする計画が重要だとした。

 また、小、中、高に特別支援学校の小、中学部、高等部をそれぞれ併設する観点や、災害時に障害のある人が特別支援学校を福祉避難所として活用できることも想定した施設整備、医療的ケアへの対応なども盛り込んだ。

 委員からは、インクルーシブ教育を踏まえ、障害のある子どもの理解につながる教育の視点などについて、さらに踏み込んで言及する必要性を指摘する声が上がった。

 主査の上野淳・東京都立大学学長は「学校施設の在り方に関する文書が、学校施設関係者だけに読まれるのはもったいない。もっと教師や学校教育行政、地域の方と、幅広く学校の将来に関する知見を共有することが大事ではないか。この指針がいろいろな人に読まれることが大事で、そういうパースペクティブを共有するプラットフォームが必要なのではないかとしばしば感じていた」と話し、学校施設の将来像について多くの関係者が共有していくことの重要性を指摘した。

 この日の会合を踏まえ、2つの報告は主査や事務局などによる修正を加えた後に、3月末までに取りまとめられる予定。これを受けて文科省は、4月中をめどに特別支援学校を含めた学校施設整備指針を改訂する。

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