文科省が濃厚接触者のガイドライン見直し 初期の学級閉鎖は不要

 新型コロナウイルスのオミクロン株による感染が続く中、厚労省が企業などで感染者が出た場合の対応を見直したことを受け、文科省は3月17日、学級閉鎖や臨時休校など学校の臨時休業の判断基準となるガイドラインの見直しを行った。保健所が濃厚接触者の特定を行わない場合には、これまで感染の全体像を把握するまでの初期対応として求めていた臨時休業について、「特段必要ない」と明示。学校再開にあたって保健所が十分に対応できない場合には、「学校医などと相談し、臨時休業を開始してから5日後程度(土日祝日を含む)を目安として再開する」との判断基準を示した。

 これに先立ち、厚労省は、オミクロン株について「感染・伝播性やその倍加速度が高い一方、重症化率は低い可能性が示唆されるなど、その特徴が徐々に明らかになってきた」として、自治体の判断で全ての感染者に対する濃厚接触者の特定など積極的疫学調査を行わない場合は、医療機関や高齢者施設などで調査を集中的に実施するよう対応方針を見直し、3月16日付で都道府県などの衛生主幹部局に事務連絡を行った。この中で、企業などの事業所で感染者が出た場合、これまでは保健所や事業所が濃厚接触者の調査を行い、原則7日間の自宅待機を求めていたが、今後は濃厚接触者の特定や一律の行動制限は必ずしも行う必要はない、としている。
 
 文科省では、こうした厚労省の対応を受け、オミクロン株による感染が続く中で学校現場が留意すべき項目をまとめるとともに、学校の臨時休業の判断基準となるガイドラインの見直しを行い、都道府県の教育委員会などに計2本の連絡を行った。

 学校が留意すべき項目としては、まず、濃厚接触者の特定など積極的疫学調査を行うかどうか、各自治体の保健衛生部局と連携して対応を確認することを求めた。

 その上で、学校で感染者が発生した場合の対応として、▽さらなる感染対策の必要が認められる場合には、保健所と連携する▽学校で感染者と接触があったことだけを理由として、児童生徒や教職員に対して登校や出勤を制限する必要はない▽学校で感染者と接触があった児童生徒や教職員は感染リスクの高い行動を控えるよう指導し、症状がある場合には医療機関の受診を促す--などを挙げた。

 学校で感染が広がった場合には、▽感染者や濃厚接触者の出席停止。濃厚接触者の出席停止の期間は2週間が基準▽学校で感染者と接触し、感染対策を行わずに飲食を共にした場合、一定期間出席停止の措置をとる--としている。

 一方、学校の臨時休業の判断基準となるガイドラインでは、オミクロン株の特徴を踏まえて、濃厚接触者の特定を前提とした判断基準を見直した。これまでは、学校で感染者が発生した場合、濃厚接触者の特定など感染の全体像を把握し、校舎内の清掃消毒に必要な期間として、数日から1週間程度の臨時休業を求めていた。これに対し、今回の見直しでは、保健所による濃厚接触者の特定などが行われない学校では、「特段初期対応としての臨時休業を行う必要はなく、感染状況に応じ、臨時休業の検討をする」と改めた。感染の全体像を把握するまでの初期対応期間については、学級閉鎖や臨時休校などは必要ない、としたところが大きな違いとなっている。

 学級閉鎖を実施する基準については、これまで(1)同一の学級において複数の児童生徒の感染が判明した場合(2)感染が確認された者が1人であっても、周囲に未診断の風邪などの症状を有する者が複数いる場合(3)1人の感染者が判明し、複数の濃厚接触者が存在する場合(4)その他、設置者で必要と判断した場合--の4項目を明示してきたが、このうち、保健所による濃厚接触者の特定が行われない場合には、(3)については「考慮する必要はない」とした。

 また、今回のガイドラインの見直しでは、学級閉鎖や臨時休校を行った場合、学校再開の判断に当たって、保健所による調査などが十分に行われない場合の判断基準を新たに示した。「学校医などと相談し、臨時休業を開始してから5日後程度(土日祝日を含む)を目安として再開することが考えられる」とした上で、「その際、発熱などの風邪の症状がある者については自宅で休養すること、健康状態の把握その他の感染症対策をいっそう徹底しながら、慎重に再開する」と注意喚起している。

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