休校中のオンライン授業実施69.6% 文科省「着実に前進」

 新型コロナウイルスのオミクロン株の感染が急拡大した今年1月から2月にかけて、臨時休校や学年・学級閉鎖を行った公立学校のうち、ICTを活用した学習指導を行った学校が84.4%となったことが3月18日、文科省の調査で分かった。うち、同時双方向型のオンライン授業は69.6%に上り、2020年のコロナ禍の一斉休校時から、活用が急速に進んでいる状況がうかがえた。文科省の担当者は「着実に前進している」と話す。

 今回の調査は今年1月11日から2月16日にかけて、連続5日以上の臨時休校や学年・学級閉鎖を行った、小中学校・義務教育学校・高校・中等教育学校・特別支援学校4652校が対象。やむを得ず登校できない期間に、どのような学習指導を行ったかを尋ねたところ、ほぼ全ての学校が何らかの学習指導を実施していたことが分かった。

調査対象学校における学習指導の状況

 その中で、ICT端末を活用して何らかの取り組みを行ったのは84.4%で、うち「同時双方向型ウェブ会議システムの活用」が69.6%、「学習動画等の活用」が38.5%、「デジタル教科書やデジタル教材、学校作成教材等の活用」が62.6%だった。校種別に見ると、小中学校と高校ではいずれもICT端末の活用率が8割を超えていた。

ICT端末を活用した取り組みの実施割合

 新型コロナウイルスの感染拡大が始まり、一斉休校が行われた20年4月の段階では、「同時双方向型のオンライン指導を通じた家庭学習」を行っていると回答した学校設置者は5%に過ぎなかった。今回の調査結果は学校設置者ではなく各学校に対する調査のため、単純な比較は難しいが、ICTによる学びの保障が進んだ背景にはGIGAスクール構想による環境整備や、コロナ禍での知見の蓄積があるとみられる。

 文科省は今回の調査結果と同時に、臨時休業や学年・学級閉鎖には至らなかったものの、濃厚接触者となるなどやむを得ず登校できない児童生徒が出た場合の、学習保障の事例を紹介している。

 神奈川県鎌倉市のある小学校では、基礎疾患のある高学年児童が登校できなくなったが、図画工作科のキットをあらかじめ自宅に届けて一緒の時間に作ることができるようにしたり、移動教室の時に「〇〇、一緒に行くよ」と、別の児童が配信用のICT端末を活動場所に持っていったりすることで、クラスとのつながりや一体感を持てるよう工夫している様子がみられた。

 また島根県益田市の小学校では、5年生の児童が1人、濃厚接触者となり2週間の自宅待機を余儀なくされた。児童は朝の会から帰りの会まで、登校している時と同じようにオンラインで参加。リコーダーや書写も自宅で取り組んだ。学習に毎日参加している状況であったため、学習の遅れはなく、児童本人や保護者も安心していたという。

 自宅待機の生徒が各クラスで数人出たという岩手県の県立高校では、学校の授業の様子をチームズで配信。配信端末はクロームブック1台を教室中央付近に配置し、カメラを教卓・黒板方向に向けるだけのシンプルなものとした。「授業準備が簡単で突発的な欠席にもすぐに対応でき、授業の形態によって配置も自由に変えられることから、授業者や情報管理担当者の負担を大きく軽減できた」という。

 中学校や高校では、生徒がICT端末の操作の一部を担うことで、スムーズな運営や教員の負担軽減につながっている例があった。三重県の県立高校では、生徒が「ICTリーダー」となり、同時双方向型の授業配信の準備や操作を担当。鎌倉市の中学校では、登校できない生徒に当日の板書を写真撮影して共有していたが、その撮影は生徒に任せ、教員の負担軽減につなげている。

 これらの取り組み事例の詳細は、文科省のウェブサイトで読むことができる。

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