全日制と通信制の融合を議論 6月に未来の教室2.0を提言

 経産省産業構造審議会商務流通情報分科会の教育イノベーション小委員会は3月18日、第2回会合をオンラインで開き、高校の全日制と通信制のハイブリッド化などについてディスカッションを行った。同委員会では昨年6月以降、「学びの自律化・個別最適化」と「学びの探究化・STEAM化」の各ワーキンググループを設けて検討を重ねてきており、6月には提言を取りまとめる予定。

 委員の岩本悠・地域・教育魅力化プラットフォーム代表理事は、今年度の未来の教室実証事業として取り組んだ、複数の全日制高校の生徒が通信制高校の授業を受ける試みを紹介。観光をテーマに北海道から沖縄まで、8校の生徒が学校間連携として、通信制の明蓬館高校の「総合的な探究の時間」を受講した。

 その結果、他校の生徒との協働的な学びを通じて、「自分とは異なる価値観や意見を尊重することができる」が37.5%から87.5%に、「自分を客観的に理解することができると思う」が12.5%から62.5%になるなど、生徒の意識変化に良い影響が確認された。しかし、この「総合的な探究の時間」を実際に単位として認定したのは8校中4校にとどまったという。

 こうした課題について岩本代表理事は「そもそも自分の学校の生徒には自分の学校で授業をすべきといった『自前主義』が強く、他の学校で学ぶという発想がない。しかし、仕事でも兼業や副業、二拠点居住が認められているのだから、兼学・副学、二拠点修学、デュアル・スクーリングを解禁すべきだ」と話した。

 また、委員の日野公三・明蓬館高校理事長兼校長は通信制高校の現状を報告した上で、「通信制高校と全日制高校のダブルスクール化を進めるべきだ。全日制高校が苦手とする、時間、場所、教材、指導者などの学習資源の調達を、通信制高校が補う構図ができるのではないか」と提言した。

 工藤勇一・横浜創英中学・高校校長は「全日制や定時制、通信制など、今の高校の設置基準が現実の世の中に合わなくなってきたということだ。新しい括りを作っていくことを、国に提案していく必要がある。オンラインなのか対面なのかではなく、質の高い自律的な学びを担保するためにどうするか、そちらにシフトしていくべきだ」と述べた。

6月に予定されている提言では、経産省が進めている産官学の連携によるSTEAM教育や、EdTechの可能性を広げる「未来の教室実証事業」について、「未来の教室2.0」として、GIGAスクール構想が定着した後の方向性を示す方針。

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