人権侵犯事件の新規救済手続き開始件数 学校のいじめ増加

 法務省人権擁護局が3月22日に公表した昨年における人権侵犯事件への取り組み状況によれば、新規救済手続き開始件数が全体で減少する中で、「学校におけるいじめ」は増加した。新型コロナウイルスに関連した差別などの人権侵犯事件も232件あった。

 人権侵犯事件の新規救済手続き開始件数は8581件で、前年より1008件減少。コロナ禍が続き対人接触の機会が減少したことに加え、人権相談窓口の周知を十分に行うのが困難だったことなどが考えられるとしている。

2020年と21年の人権侵犯事件の新規救済手続開始件数

 新規救済手続き開始件数を種類別でみると、最も多いのは「プライバシー侵害」で1621件(18.9%)、次いで「労働権関係」が1318件(15.4%)だった。「学校におけるいじめ」は1169件(13.6%)で、前年より43件増えた。「学校におけるいじめ」はコロナ前の2019年は2944件あったが、これが20年には休校の影響などで1126件と大幅に減少し、今回、そこからやや増加したことになる。

 また、16万6457件が寄せられた相談件数のうちでは、「学校におけるいじめ」は6539件で3.9%を占めた。

 法務省の人権擁護機関が救済措置を行った具体的事例では、小学生が同級生から仲間外れにされるなどのいじめを受けているにもかかわらず、学校が十分な対応を行わないと母親から相談があった事案で、調査の結果、学校は日々の見守りや児童全員へのアンケートでいじめが解消されたと判断していたが、実際にはいじめが続いている事実が認められたため、校長に対し被害防止を要請するなどした。

 新型コロナウイルスに関連した事例では、子どもがPCR検査を受けて結果が陰性であったにもかかわらず、保育所から登園を拒否されたとの母親からの相談を受けて、調査した結果、母親は保育所の説明に納得がいっていなかったことから、保育所に対しその旨を伝えたところ、保育所が登園の可否について分かりやすい説明をしていく方針を示した。

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