教員の勤務実態から見た部活動 文化部活動の地域移行会議で議論

 子供たちが文化芸術活動に親しむ環境の整備や教員の働き方改革を目的とした、文化庁の文化部活動の地域移行に関する検討会議の第2回が3月24日、開かれた。文科省は2023年度以降に「休日の部活動の段階的な地域移行を図るとともに、休日の部活動の指導を望まない教員が休日の部活動に従事しない」とする方針を打ち出しており、同会議では、部活動の地域移行についての課題と対応策を検討していく。

オンラインも用いて開かれた「文化部活動の地域移行に関する検討会議」(文科省YouTubeで取材)

 この日は最初に、文科省側から16年度に実施された教員勤務実態調査について説明があった。中学校では学内で1日当たり平日に11時間32分、土日に3時間22分勤務しており、10年前の調査と比べ平日で32分、土日で1時間49分増加していた。さらに土日の勤務内訳でみると、部活動業務が10年前との比較で1日当たり1時間3分増加した。教員の勤務時間の拡大については、一般的に勤務時間が長くなりがちな若手教員が増えたことや部活動時間の負担増を要因に挙げた。

 教員のワークライフバランスについて調査・研究している青木栄一・東北大学大学院教育学研究科教授は、教員の勤務実態から見た部活動について解説した。青木教授はデータから、教員の長時間労働は業務のうちでも部活動の時間に左右されるとして、健康リスクに警鐘を鳴らした。中学校の教員数が大きく減っていないのにも関わらず、部活動を指導する若手教員に長時間労働の傾向が見られるのには、やはり若手教員の増加や教員の共働き夫婦の増加の影響があるとしており、ボランティア的に行う業務として部活動はあまりにも過大な負担であるとした。

 これに対して委員からは「直近の調査から時間がたち、現状では改善されつつある点もあり、今の部活動の事情は少し異なっている。22年度に(教員)勤務実態調査を行うとのことなので、その結果を注視したい」「少子化が進んでいるのに部活動数が減らないのはなぜなのか」「今、中学生たちがどんなものに興味関心を持ち、何をやりたいと思っているのかが根底にないと、既存の部活動を地域に移管しただけでは話は進まない」などとする意見があった。

 続いて、文科省から議論のたたき台として、「休日の地域における文化芸術に親しむ環境が整備充実される以前の学校文化部活動の在り方」が示され、活動時間の適正化、指導体制の見直し、地域の文化芸術団体などとの連携・協働といった観点での課題と対応策が話し合われた。

 さらに「地域における新たな文化芸術に親しむ環境の構築」とされたたたき台でも、どのように地域移行を進めるかや、その環境の在り方、実施に向けたスケジュールなどについて課題と対応策が示され、委員らの議論が続いた。

 部活動を巡っては、スポーツ庁でも運動部活動の地域移行に関する検討会議が設けられており、文化庁ではスポーツ庁の議論に歩調を合わせながら検討を進めていく方針。

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