教員の研修履歴の活用は「管理職との対話」を想定 末松文科相

 教員免許更新制の廃止に伴う法改正案で、新たに義務付けられる研修記録の作成と今後の教員研修の姿について、末松信介文科相は3月25日の閣議後会見で、「校長等の管理職が、過去の研修の記録を活用しつつ、今後の研修について、一人一人の教員から相談を受けたり、情報提供や指導助言を行ったりすることを想定している。一人一人の教員が、教育委員会や校長と対話しながら、その教員に合った指導を細かく受けていくことが、理想の形だ」と説明。改正案は、教員と学校管理職らによる1対1の対話を通じて、教員一人一人に個別最適な形での研修の提供を想定していることを明らかにした。研修履歴の記録が管理強化につながりかねないと懸念する声が出ていることについては、「(教員の学びを)性善的に捉えていくための施策である、との理解を求めていきたい」と述べた。

 国会で審議が始まった法改正案「教育公務員特例法と教育職員免許法の一部を改正する法律案」では、教員免許更新制を今年7月に廃止する代わりに、来年4月から公立学校の校長や教育委員会などの任免権者が校長や教員の研修記録を作成し、それを元に指導助言を行うことによって教員の質を担保する、という新制度の導入を目指している。

閣議後会見で質疑に応じる末松文科相

 この新制度に基づく教員研修について、質疑に応じた末松文科相はまず、「大義としてわれわれが考えておかなければいけないのは、教師の研修については、自主性が重要であることは言うまでもない、ということ。教育基本法9条に『絶えず研究と修養に励み、その職責の遂行に努めなければならない』と書いてある。これは教員免許更新制が廃止になっても、そうあるべきであると、私は思っている」と、前提となる考え方を確認。

 改正案が目指している教員研修の姿について、「校長等の管理職が、教師自身の過去の研修記録を活用しつつ、今後能力を伸長させる必要がある分野などの研修について、一人一人の教員から相談を受けたり、情報提供や指導助言を行ったりすることを想定している。設置者である教育委員会あるいは校長は、一人一人の教師と対話を続けながら、『あなたはこうですよ』という形で、その先生に合った指導を細かくやっていくことが、理想の形だ。これによって、教師が自ら学びを振り返りつつ、適切な目標設定と現状把握の下で、自ら必要な学びを行い、主体的で個別最適な学びが実現されるものと考えている」と説明。学校管理職と教員による1対1の対話を通じて研修内容を設定し、一人一人の教員が個別最適な形での研修を受けられる仕組みを想定していることを明らかにした。

 その上で「教師の研修履歴の記録と主体的な学びは、決して相反するものではない。過去の記録によって、『こういう形で(研修を)やったらどうでしょうか』というような、濃密な話し合いができると思っている」と、研修履歴の記録を活用した学校管理職と教員の対話を通じて、主体的で質の高い学びが可能になるとの見方を示した。

 また、過去の研修記録を活用して管理職が教員に研修内容について指導助言を行うと、結果的に管理強化につながるのではないか、と懸念する声が学会の一部などで出ていることについては、「研修履歴そのものを校長や教育委員会が理解できてないことの方が、積極要因に欠ける。いろいろな見方があったとしても、私は性善的に捉えていくための施策であると、そういう理解を求めていきたい」と答えた。

 さらに「確かに自分の過去の研修内容を全部調べられ、一つ間違った判断をされれば、思いもよらないところに自分が流されていくのではないか、というような不安を覚えるかもしれないが、そういうものではない。(教員に対し)過去の研修に基づいて、どういう展開がいいかを示唆するための履歴だと、私は認識している」と、理解を求めた。

あなたへのお薦め

 
特集